新聞「農民」
「農民」記事データベース20200309-1399-04

=長野食健連・更埴食健連=

学校給食、食の安全で学習会


 長野県食健連は2月8日、長野市で学校給食の無償化と食の安全についての学習会を開催しました。更埴地域食健連と共催で行いました。給食無償化の意義や運動の進め方について、群馬県で2014年から取り組んできた「学校給食の無料化をめざす会」代表の石田清人さんと、農民連食品分析センターの八田純人所長の2人が講演しました。学習会場には約100人が集い、熱心に講演に聴き入りました。

 八田さんの講演は「知っていますか? 日常の『食』に驚きの現実」と題し、政府や企業側ではなく、市民や農家の立場から食品を科学的に検証するため、募金によって作られた食品分析センターを紹介し、食品の実態を科学的に検証して政府や企業を動かしてきた経過を語りました。

 現実の食品については、ゲノム編集で「共食いしないサバ」や「肉厚の鯛」などをすでに開発している実態など食品の驚きの現実を学びました。食パンに残留農薬が検出される一方、国産小麦では検出されなかったことが報告され、改めて国産農産物の安全性を確認できる講演となりました。

 石田さんは「学校給食の無料化」について、もともと貧困対策で始められた学校給食が今なお子どもたちの健康を支えていること、さらに「義務教育は無償とする」日本国憲法に沿う政策の実現につながると捉えられること、こうしたことが住民の署名や運動と結びついて自治体の首長選挙でも争点となってきた経過を語りました。

 給食の無償化で地域が活性化

 また、群馬県内での無償化の広がりを示し、子育て世代を経済的に支援して子育てしやすい自治体となることで転入が増え、地域の少子化を改善し、さらに無償化を広げていった経過が話されました。高崎市の自校給食の実践について、子どもたちが「自分の体を作っている給食を通じて、その食材がどこで誰が作っているのか、安全性はどうか、どうやって調理されているのか」を身近に感じることで、まさに「食育」が実現していると力強く語られました。

 参加者から「国産を選んで買おうと思う」「憲法の実践として給食を無償化すべきだ」などの感想が寄せられました。

(全国食健連ニュースから)

(新聞「農民」2020.3.9付)
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