新聞「農民」
「農民」記事データベース20200601-1410-06

使えるものは活用しよう!

新型コロナ対策
Part 3


 農家が利用できる新型コロナウイルス対策の3回目は、牛肉関係の支援策、とくに農家への経営支援策を中心に紹介します。

肥育牛経営等緊急支援特別対策事業

 需要後退による出荷抑制により、多くの畜産農家で出荷延期が発生していることから、農水省が定める体質強化メニュー費用やかかり増し費用などに支援が行われます。

 (1)肥育生産支援

 畜産農家が、肥育生産の計画書を作成し、体質強化の取り組みメニュー(飼料分析・血液分析・肉質分析・畜舎環境・経営分析)に2つ以上取り組んだ場合、出荷頭数に応じて1頭当たり2万円を交付。

 枝肉価格が前年同月比30%下落した場合にメニュー3つ以上実施すれば4万円、40%下落なら5万円が交付されます。

 申請は各農家でできますが、窓口は5月22日現在未定。農水省によると各県の畜産協会などと協議中とのことです。

 (2)計画出荷支援

 生産者団体(農協など)が出荷を延長した場合に、かかり増し経費として1頭当たり肉専用種は2万2000円、交雑種は1万9000円、乳用種は2万1000円が補助されます。

 ただし申請は農家個人ではなく生産者団体が行わなければならず、出荷延長の期間にかかわらず補助金の支払いは1回限りです。

 (3)牛マルキン(肉用牛肥育経営安定交付金)の生産者負担金が実質免除されます。しかし交付額も67・5%に減額されるので注意が必要です。しかも免除申請は各県の畜産協会でまとめて行うので、各農家が「自分は負担金を払うから、交付金も満額にしてほしい」ということはできません。

 この問題で農民連は5月13日に農水省に緊急要請を行い、生産者負担金は免除としたうえで交付金は少なくとも減額なしの9割を、現在のコロナ禍の緊急事態を踏まえれば生産費全額の10割を補てんするよう、求めています。

肉用子牛流通円滑化緊急対策

 新型コロナウイルス感染拡大により、肉用子牛の出荷停滞によるかかり増し経費(飼料費など)が肉専用種及び交雑種については1頭、1日当たり550円以内、乳用種は500円以内で助成されます。

 ただし申請者は農家個人ではなく、農協などの生産者団体となり、支給されるには諸条件があります。

新型コロナの発生農場への支援事業

 代替要員の派遣や、家畜を公共牧場などに緊急避難させるための経費、消毒費用などが支援されます。

(新聞「農民」2020.6.1付)
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