新聞「農民」
「農民」記事データベース20201109-1432-01

持続化給付金
「農閑期の申請は不正」は誤り!

農民連 中小企業庁に要請


中企庁が改善を約束
「修正依頼」の対応改善、現場に徹底
2週間以内の支給に努める

 苦しむ農家を萎縮させるな

 新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」は、被害を受けた農家の多くが申請しやすいように制度設計がなされています。しかし、10月17日の各地の地方紙朝刊が「農閑期を対象月とした申請は不正受給」という報道を一斉に行い、コロナ禍に苦しむ農家が萎縮して申請をためらう事態となっています。

 さらに、9月からの事務委託先の変更により、8月までは申請が受理されていた事例への「修正依頼」が続出しています。また、「相談窓口の対応者により対応が異なり困惑している」「確認のメールが届いたにもかかわらず1カ月以上待たされている」などの問題が多数発生しています。

 こうした事態の打開のため、農民連は中小企業庁に対し審査改善を求める要請を行い、北海道から鹿児島県までの各地からもオンラインで参加しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員も同席しました。

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中企庁に対応を求める吉川利明事務局長(左端)

 不正報道は誤り 中企庁が明言

 相次ぐ「農閑期の申請は不正」報道に対し、中小企業庁は「記事は誤り。コロナ禍で被害を受けた農家が、農閑期を対象月とすることは問題ない」と明言。「コロナ禍で米価が下落している。米単作農家が農閑期を対象月として申請しても問題ないか」と確認したところ「ご指摘のとおり」と回答しました。あわせて中小企業庁は「直売所や飲食店への出荷停止などの他、需要の減少などによる価格の下落についても給付の対象になる」との見解を示しました。

 さらに江藤拓前農水大臣の「米の単作地域でも、昨年の収入を12で割った月の平均より5割以上落ち込めば申請できる。収入のない月と比較してもかまわない」という国会答弁の認識に変わりがないことも、中小企業庁と同席していた農水省も確認しました。

 中小企業庁は「こういった誤った記事が出ないよう説明の際には言葉遣いにも注意して、誤った理解が流布されないように注意したい」と回答。「ホームページに掲載するなど告知をしてほしい」との要求には、持ち帰って検討することを約束しました。

 「修正依頼」が多発している事例について、「審査対応の改善の確認事項(別掲)」の項目で、運用の改善、現場での徹底を確認し、「給付のスピードアップを指導している」と表明しました。

 新規開業、事業継承は個別対応

 中企庁は、事業継承、新規開業問わず、開業届の提出日が開業日より「1カ月以内でないと無効」は不正防止の観点から譲れず、「開業届が無効な場合は公的機関の発行する書類をもって代替できる」としましたが、具体的な資料は示されませんでした。個別対応が必要となります。


中小企業庁と確認した審査対応の改善事項
(1) 確定申告書第1表の事業収入欄に収入金額の記載がない場合、収支内訳書の添付をもって、収入金額を確認する。確定申告書に収受印があれば、代替書類である収支内訳書には収受印を求めない。
(2) 所得税の確定申告を役場などで行った場合、税務署の収受印がないのは当然であり、市町村の収受印でも認める。
(3) 住民税の申告用紙で申請する際、「A−1証拠書類等の特例」で申請すべきところ、「一般的な申請方法」を誤って選択し、住民税の申告用紙を確定申告書の添付箇所に貼りつけて申請した場合、「その他の資料」の添付場所に、「特例A−1で申請するところを誤って一般的な申請方法で申請してしまったので、特例A−1として審査してほしい」旨を添付し、再申請する。
(4) 住民税の申告書に収受印がない場合、所得証明の添付で対応する。
(5) 申告年が未記入、濁点を一文字にしていない、漢字表記が漏れているなどの「軽微な誤り」でも修正のうえ再申請する。
(6) 給付のスピードアップの指導はしている。問題なければ、申請から2週間以内を目途に支給することに努めている。個別に問い合わせがあればどこが原因で遅れているかを回答するようにする。
(7) 明らかに審査側のミス(誤解・読み取り不足など)で修正依頼が来た場合は、「申請内容に誤りがないものと思われるのでそのまま再申請します。再度修正依頼するのであれば、修正箇所を指摘してください」と「その他の資料」欄に添付し、再申請する。


コロナ禍被害は広範囲

自信をもって申請し家族農業を守ろう

 コロナ禍の影響で需要が落ち込み米価は全国的に下落しています。果物も消費減退の影響を受けるなど、広範な農畜産物にコロナ禍の影響は及んでいます。

 農民連の取り組みは、こうしたコロナ禍の被害を受けた農家が政府のルールに従って申請しているのであって、何ら問題はありません。地域で、今回の交渉の結果や江藤拓前農水大臣の国会答弁(農民連の持続化給付金チラシ)を活用しながら、不安にこたえ、自信をもって持続化給付金の申請支援の取り組みを広げていきましょう。


上記事例に該当する

修正依頼にはこう対応を!

 修正依頼が来た人で、上の事例に該当する人は、「その他の必要な書類」の添付場所に、次のように書いたものを添付し、再申請してください。

「農民連が10月23日に行った中小企業庁への要請で、『上の(1)〜(7)で修正者の事例に該当する項を転記します』と確認ずみです。再申請しますので迅速な審査をお願いします。それ以外で修正が求められているのであればご指摘ください」

 また、コールセンターの担当者が誤った対応をしている場合は、担当者の氏名と対応内容を控えておき、都道府県連を通じて農民連本部に報告してください。

(新聞「農民」2020.11.9付)