新聞「農民」
「農民」記事データベース20201214-1437-12

いまこそ要求で広く農民と結びつき、
国民の期待に応えられる農民連を!

農政を国連「家族農業の10年」の
方向に転換させるチャンス!
(10/10)

農民連第24回定期大会議案
2020年12月3日 農民運動全国連合会常任委員会

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4.新聞「農民」について

(1)幅広い人々に新聞「農民」購読を訴えよう

 全ての会員が新聞「農民」を購読するという大原則を堅持し、この間の会員拡大と合わせて「農民」読者拡大を前進させ、前年度現勢を回復したことは大きな成果です。新聞「農民」読者拡大を独自に追求し、見本紙を活用して前進させた組織も生まれています。

 新聞は、めまぐるしい情勢の動きを的確に伝え、運動を草の根から広げて世論を変える力です。新型コロナの感染拡大で集まりを持てないなか、新聞「農民」は全国の仲間をつなげる役割を果たしてきました。

 前大会で購読料を引き上げたことに加え、この間の読者拡大で本部財政を安定させたことは重要な成果でした。組織と財政を支える機関紙の役割を改めて確認し、読者拡大を広げましょう。

 新聞「農民」を広げる対象は無限です。あらゆる運動に読者拡大を貫き、減紙があれば力を集中して取り戻し、「毎月、減らさず前進」の気風をつくりましょう。

(2)紙面の改善

 親しみやすく、役に立ち、拡大しやすい新聞をめざした紙面改善の努力を強めます。紙面の顔である1面の改善をはじめ、読者の目をひき、読んでもらえるような紙面づくりに努力します。

 新聞「農民」の真骨頂は「みんなでつくろう、もの言う農民」であり、地域でがんばる農民の生の声や現場の情報を紙面にどれだけ反映させるかがカギです。新型コロナの影響で取材困難ななか、各地からの通信が不可欠です。「月1回は通信を送る」を合言葉に通信を送りましょう。掲載された通信・記事を大いに活用し、読者拡大に生かしましょう。

 17年6月からスタートした「農家が得する税金コーナー」をはじめ、持続化給付金申請などの記事で取り組みを励ましてきました。

 インターネットを活用し、ツイッター、フェイスブックなどとの連携を強め、紙面づくりに反映させていきます。

 各地で地域版「農民」を発行して「農民」と一緒に届ける取り組みが広がっています。北海道では、地域ニュースを帯封に活用するなど、紙面を読ませる工夫もしています。組織の団結強化に役立つだけでなく、「農民」を身近な存在にし、紙面を読む機運につながっています。こうした実践を各地で進めましょう。

5.21年春の大運動を成功させよう

 21年春の大運動は、持続化給付金の確定申告の扱いや大幅な税制改定という例年にない条件のもとで取り組まれます。

 持続化給付金の申請期限は21年1月15日です。給付対象なのに声がかかっていない農家が多数、残されています。特に、確定申告の段階で「給付の対象だったのに」と言われないように全ての会員に伝えきりましょう。また、持続化給付金は農業所得の「雑収入」です。20年12月末までに必要な支出は済ませておきましょう。使わずにとっておけばその分所得が増え、所得税、住民税、国保税の増税になりかねません。

 20年以降、基礎控除が38万円から48万円に増額されるのに伴い、給与所得や年金所得の控除額、所得控除の所得要件などが大幅に変更になっています。自主申告運動に参加する全ての会員に、12月中に『手引き』と『記帳簿』を渡し、税制改正と持続化給付金の学習会を行い、3月の確定申告に備えましょう。この取り組みの中で新たな仲間を迎えましょう。

6.ジェンダー平等の社会をめざし、女性部運動を強化しよう

 農民連第22回大会で、「ジェンダー平等の社会をめざす」方針を掲げ、4年間運動を進めてきました。ジェンダー平等とは、男女の性別的差別だけではなく、社会的・文化的な性差で受ける不利益をなくし、性の多様性を尊重し、どの人も共に生きていくためのもので、「家族農業の10年」でもジェンダー平等を不可欠の要素と位置付けています。

 全国で女性が生産や産直、加工、農家民宿・レストランなど、家族農業と地域を維持、発展させる先頭に立っています。農民連の要求運動でも女性の役割は欠かせません。また、組織運営でも多くの県・単組で女性役員が増えていることは前進です。

 一方、女性が役割の発揮を要請されても尻込みするという声も聞かれます。「役員は男性がなるもの」という「無意識の思い込み」をなくすことがジェンダー平等の社会にする一歩です。

 一方、家事、介護などで時間的余裕もないなかで、役割を担うことをためらうのは無理からぬ面があります。しかし、忙しくて余裕のない女性の現実を踏まえた多様な要求は、こうした渦中にある女性の参加なしには反映されません。女性を励まし、支えながら女性の運動への参加を広げましょう。

 その第一歩として女性部会員の登録を進め、全ての県に女性部をつくり、女性が生き生きと女性部で運動できるように強化しましょう。

 女性部は、諸団体とともに国保の傷病手当・出産手当の拡充や、配偶者の働き分を経費として認めない所得税法56条の廃止、選択的夫婦別姓など女性の地位向上に関わる運動を進めてきました。国連の女性差別撤廃委員会からも「所得税法56条は差別規定」と勧告され、現在、所得税法56条廃止を求める意見書は、549自治体で採択されています。引き続き運動を強めましょう。

 政府は、コロナ対策で、特別定額給付金を「世帯主」の口座に一律に振り込む仕組みをとりました。法律に規定のない「世帯主」は、明治時代にさかのぼる「家」制度の名残であり、家族間に上下関係や優劣をつけるような規定は廃止すべきとの声が出ています。長年の固定意識を改善するには大きな変革が求められます。女性会員の率直な声を集める「ジェンダー平等アンケート」に取り組み、国連の女性差別撤廃委員会へのNGOレポートを作成し提出します。また、差別を受けている個人が国連に通報できる「個人通報制度」の早期批准に向けての運動も強めていきます。

7.「家族農業の10年」を「青年部を作る10年に」

 農民連組織の担い手確保は、組織の根幹に関わる重要課題です。その核は、青年部を確立し、活動を前進させることにあります。青年部の結成・活性化を青年まかせにせず、都道府県連と単組の役員会全体で責任をもつことが必要です。

 20年の青年部総会で「農民連に相談したおかげで、次世代人材育成支援事業の申請を受理してもらえた」という報告がありました。地域に根を張り、農家の要求に応える活動は、地域の青年にも伝わります。青年農家と積極的に対話しましょう。

 コロナ禍で全国的な集まりが持てないなか、地域での取り組みが大切です。農民運動に熱い思いを持っている青年が増えています。こうした青年の力を引き出して運動と組織を前進させましょう。

 多くの青年農家が、自己責任論にとらわれつつ、営農を続けています。世界の情勢を伝え、自己責任の軛(くびき)から解放し、共に歩む仲間に迎えましょう。

 青年部組織のある県では、県役員として役割を果たす青年部員も増えてきています。青年の自主性を大いに発揮してもらい、役員会の責任で青年の結集と青年部づくりを組織づくりの柱に位置づけて、「農民連の未来は青年部にあり」の意気込みで奮闘しましょう。

 前回大会で、青年部の名簿整備を呼びかけ、一通り完成しました。最新の状況把握のため、今後も組織現勢の調査とあわせて青年部員名簿の作成に協力を呼びかけます。

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(新聞「農民」2020.12.14付)
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