新聞「農民」
「農民」記事データベース20210913-1472-01

食料自給率
過去最低の37.17%

大凶作の1993年を下回る


低下要因は「米の消費量減少」
“コロナ禍で困窮”浮き彫りに

 農水省は8月25日、2020年の食料自給率(カロリーベース)が37・17%と過去最低になったと発表しました。20年の米の作況は101と平年作にもかかわらず、作況74の大凶作だった1993年の37・37%より低く、天候不順だった2018年の37・42%以下。まさに非常事態です。

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 政府は「食料・農業・農村基本計画」で食料自給率45%という低い目標を掲げていますが、実績は下降一直線。1995年の46%を最後に、目標からは遠ざかるばかりです。

 新型コロナウイルスの世界的な感染爆発が起こる中で、小麦の輸出国のロシアや米の輸出国のベトナムなど19カ国が食料の輸出を規制しました。これらの国からの輸入が少なかったため、日本への影響はありませんでしたが、食料を外国に頼ることの危うさは明らかです。

 コロナ禍の米危機というべき今こそ食料自給率の向上が求められています。

 今収穫している米の生産者価格が9000円を切る水準になっており、主食である米の生産が続けられないという事態にまで追い込まれています。2019年の米の生産費は1万5155円、物財費だけで9180円です。9000円米価とは、すでに支払った現金の回収すらできない水準で、大規模農家を含めて赤字です。

 米は食料自給率を支えている柱であり、稲作の危機は、自給率のさらなる低下に直結します。

 農水省は食料自給率低下の要因を米の一人当たり年間消費量が2・5キロも減ったためと説明しています。

 この20年間で1年に2キロ以上も消費が減少した年は、リーマンショックで年越し派遣村が取り組まれるなどの大失業を招いた2008年の2・4キロ減の一度だけです。

 1年で4・6%、32万トンも減少するのはまさにコロナ禍の影響であり、食べたくても食べられない状況が生まれていることを意味しています。

 コロナ禍による過剰在庫の隔離には、一切背を向け、生活困窮者への支援も全く不十分。コロナ対策もまったくダメだが、米危機打開・食料自給率向上にも手を打とうとしない――こんな政府は今度の総選挙で退場してもらいましょう。

(新聞「農民」2021.9.13付)