新聞「農民」
「農民」記事データベース20211018-1477-07

GMナタネ自生調査報告会

遺伝子操作が新たな段階に

ゲノム編集
トマト販売開始、マダイ承認


検査の取り組み強化を

 食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)と「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は9月30日、参議院議員会館をオンラインで結んで、「2021年全国GMナタネ自生調査院内報告会」を開きました。

 キャンペーンの天笠啓祐代表が開会あいさつ。ゲノム編集トマトの販売が始まり、マダイの届け出が承認されるなど、遺伝子操作が新たな段階に入ったことを述べるとともに、生物多様性条約締約国会議(COP)が来年に中国で開かれることを紹介。「こうした状況下で生物多様性を守るために私たちの取り組みが大事になってくる」と強調しました。

 21年度GMナタネ自生調査の集計結果の報告があり、全国904件の検査で除草剤ラウンドアップをまいても枯れない性質(RR耐性)のGMナタネが6、除草剤バスタをまいても枯れない性質(LL耐性)のGMナタネが36、両方の除草剤に耐性をもつものが1件あったことを報告しました。

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 調査に取り組んだ各団体が報告。あいコープみやぎは、LL耐性が5件、生活クラブ生協は、RR耐性が1、LL耐性が11件でした。コープ自然派は、RR耐性が1件、グリーンコープ共同体は、RR耐性3件、LL耐性20件でした。

 遺伝子組み換え食品を考える中部の会は、2つのルートで行い、合わせてRR耐性が20件、LL耐性が40件でした。

 農民連食品分析センターの八田純人所長は、世界のGMナタネの品種は46種類あり、日本で流通しているのは16品種であることを報告。「今の日本での検査で35品種、世界のGMナタネの約76%を調べることができる」と述べ、さらなる調査の強化を呼びかけました。

 その後、環境、農林水産両省との意見交換を行いました。

(新聞「農民」2021.10.18付)
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