新聞「農民」
「農民」記事データベース20211025-1478-03

安倍・菅直系政治の
底が割れた岸田政権


偽装看板ボツにされ
三番煎じの “出がらし” 政権

 岸田新内閣の支持率は40%で、退陣した菅内閣末期をわずか7ポイント上回っているだけ(時事通信、10月15日)。通常、新内閣の支持率は“ご祝儀相場”で高いのが普通ですが、「読売」の2回目の調査ではさらに4%下がるなど「超低空飛行」に拍車がかかっています。

 事実上の 「第3次安倍内閣」

 なぜなのか――。一言でいえば、事実上の「第3次安倍内閣」、三番煎(せん)じの“出がらし”政権だからです。

 首相周辺は「黒幕がついているイメージが強い」からだと言い、作家の室井佑月さんは「飲み屋に例えると、今回の開店は、雇われママが代わっただけだった。店のリニューアルにもなってない」と酷評しています。

 安倍・菅政権の路線を「転換すべき」は69%(共同通信、10月17日)、安倍・麻生氏の影響力強化は「マイナス」が59%(毎日)。

 (1)コロナ無策に反省なし、(2)「アベノミクス」を引き継ぐ、(3)憲法9条改定、原発再稼働、辺野古新基地建設、(4)森友・桜などの疑惑の真相究明に背を向ける――行き詰まった自民党政治の中での政権たらいまわしでは政治は変わりません。日本の政治を変えるには、政権交代が必要です。

 自民党公約、 岸田看板をボツに

 岸田自・公政権は、予算委員会を開いて選挙の争点を国民の前に明らかにすべきだという野党の要求を拒否して、わずか3日間の本会議質疑だけで解散に打って出ました。有権者に対し、中身不明の「看板」への白紙委任を迫る乱暴なやり方です。

 実際、3日間の本会議質疑で岸田首相は、コロナ対策も、貧困と格差の解消策も、すべては「今後考える」と言い、「この選挙で岸田に任せるかどうかを判断いただきたい!」と繰り返すだけ。

 岸田氏は総裁選で「新自由主義からの転換」や「令和版所得倍増計画」、富裕層に対する「金融所得課税の強化」「健康危機管理庁創設」をぶちあげました。

 まるで安倍・菅政治を見直すかのような装いでしたが、これは偽装看板。12日に発表された自民党公約では、これら岸田氏の看板は全てボツにされました。実権を握る安倍・麻生・甘利氏が「飛べない鳩」の翼をがんじがらめにしばりつけるという構図です。

 その結果、テレビでの党首討論では、国民が聞きたいことに何一つ具体的に答えられず、ツイッターでは「不憫(ふびん)になるくらい、何言ってるか分からない」「結局、何にも答えてない!」という声があふれています。

 岸田自民党には任せられない!

 うそつきの安倍氏、説明拒否の菅氏の後は、ダラダラ話でごまかす岸田氏。「岸田に任せるかどうか判断を」などとは、よくも言えたものです!

 岸田氏はまた「米の市場隔離」をぶちあげましたが、これも偽装で、「市場隔離」とはほど遠い小手先のまやかし策で国民をごまかすことに躍起です(1面参照)

 コロナ・貧困と格差の解消・米危機対策をあくまでも取らない岸田政権か、抜本的な危機打開策をとる野党連合政権か、総選挙の対決点は明確です。

(新聞「農民」2021.10.25付)
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