新聞「農民」
「農民」記事データベース20211108-1480-02

総選挙
自民党が議席減


市民と野党の共闘が力を発揮!

 10月31日に投開票された総選挙は、9年間の安倍・菅自公政権を継承する岸田文雄政権に対し、市民と野党が共闘して「政権交代」に挑む初めての選挙になりました。

 市民連合と4野党は、安保法制廃止や原発ゼロ、農林漁業など、20項目の共通政策を結び、日本共産党と立憲民主党は共通政策を実現するための「政権協力」で合意。全国289の小選挙区のうち213選挙区で候補者を一本化してたたかいました。

 結果は、自民党が前回から15議席減らしたものの259議席を獲得し、前回から3議席増やし32議席となった公明党とあわせて与党が過半数を維持しました。

 しかし、自民党は12年の294から14年291、17年284、そして今回と4回連続で議席を減らし続けています。

 野党は、立憲民主党が13議席減らして96議席、日本共産党は2議席減の10議席、国民民主党11議席、れいわ新選組3議席、社民党1議席でした。日本維新の会は41に議席を伸ばしました。

 野党共闘は、政権交代には至らなかったものの、多くの選挙区で与野党激突の大激戦となり、少なくない選挙区で競り勝ち、当選こそ逃したものの、“あと一歩”という状況を作りました。

 神奈川13区で落選した自民党幹事長の甘利明氏(比例復活)は幹事長を辞任せざるをえない事態に追い込まれました。東京8区の元自民党幹事長の石原伸晃氏や熊本2区の野田毅元自治相は比例での復活もならず落選しました。現職閣僚では東京5区で若宮健嗣万博相(比例復活)、前大臣では香川1区の平井卓也前デジタル大臣も落選しました(比例復活)。

 これまで盤石といわれていた自民党幹部、現職大臣、大臣経験者などが次々に落選に追い込まれたのは野党共闘が実った結果です。

 米危機打開が大きな争点に

 米価の大暴落に農民の怒りが噴出し、総選挙では米・農業問題が大きな争点になりました。

 農民連は、政府による米の市場隔離で米価を安定させることや、コロナで職を失って食べられない人たちに食料支援を実施することなどを要求して全国でたたかいを発展させ、共産、立憲、国民、社民、れいわの5野党が一致し、総選挙をたたかい、農村で大きな変化をつくりました。

 野党共闘で政権交代に挑戦した総選挙は、国民に「本気で政治を変える」というメッセージとなり、今後に生きるたたかいになりました。挑戦は来年夏の参議院選挙に引き継がれます。

(新聞「農民」2021.11.8付)
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