新聞「農民」
「農民」記事データベース20211108-1480-09

本の紹介

『どう考える?
「みどりの食料システム戦略」』
(農文協ブックレット)

農水省「みどり戦略」を多方面から検証


画像  SDGs(持続可能な開発目標)や環境を重視する国内外の動きが加速していくなか、農水省が今年5月に発表した「みどりの食料システム戦略」は、2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化、農薬50%低減、化学肥料30%低減、有機農業の面積を全体の25%(100万ヘクタール)に拡大など14の目標を掲げています。

 「農政の大転換」と期待する声がある一方で、その実現可能性や実現へのシナリオ、ゲノム編集やRNA農薬の取り扱いをはじめとした先端技術の位置づけなどをめぐって、大きな批判が寄せられるなど議論を呼び起こしています。

 とくに有機農業100万ヘクタールがクローズアップされていますが、今後30年の食料・農業政策、農村政策の全体のあり方とも深く関わる問題といえます。

 本書では農水省の政策立案担当者に戦略の背景と意図をインタビューし、農業・農村政策の専門家が内外の諸政策と関連づけて、この戦略の位置と課題を分析しています。

 また、有機農業や環境保全型農業の実践者や研究者、消費者団体の代表者などからの提言を掲載し、有機学校給食や自然栽培に自治体やJAとして先進的に取り組む事例を紹介しました。

 さらに、全国の農家がこの戦略をどうとらえたか、歯に衣着せずに語っています。

 日本農政(農業)を真に大転換にするためには何が必要かを、識者や農家とともに考え、先進地域に学びつつ提言します。

 定価 1100円(税込み)
 出版 農山漁村文化協会(農文協)
 A5判 136ページ
 注文 オンライン書店などで
 問い合わせ 農文協普及局 電話 03(3585)1142、Fax 03(3585)3668

(新聞「農民」2021.11.8付)
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