新聞「農民」
「農民」記事データベース20211115-1481-01

市民と野党の共闘をさらに大きく!

関連/米危機打開院内決起集会

 10月31日投開票で行われた衆議院選挙では、野党が政権交代をめざして候補者を一本化した初挑戦の選挙として次につながる大きな成果を上げました。市民と野党の統一候補が健闘した新潟、福島両県からのリポートです。


新潟

米価対策が大争点に
参院選へ運動さらに

6年の共闘の蓄積が大接戦を制する力に

 新潟県は、6選挙区のうち5選挙区で市民と野党の共闘候補が実現し、4選挙区で野党候補が勝利しました。

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10月26日に行われた市民と野党の街頭宣伝(新潟市)

 これまで市民連合や各団体が野党候補に宣伝や集会への参加を働きかけ、総選挙勝利に向けて運動を進めてきました。どの選挙区も現職や知名度のある自民党候補とのたたかいでしたが、市民と野党の共闘を築いてきた6年間の蓄積が接戦を制すことにつながったと思います。

 県農民連は米価下落対策を訴え、昨年から運動を進めてきました。

 県交渉や軽トラパレードを行い、県内各政党、衆議院予定候補者や参院議員などにコロナ感染拡大の影響で発生した過剰米対策の実現を要望し、総選挙での大きな争点になったと感じています。

 全国的には野党議席の後退となりましたが、地域の状況をみれば、決して自公政権が支持されたと言えるものではなく、まだまだ野党共闘に対する国民の理解の浸透が広がっていないと思われます。それは進んでいると言われている新潟でも完全なものにはなっていません。

 今回の選挙結果で自公政権が継続し、米価回復に背を向ける農政が続くことからも、来年の参議院選挙に向けて、市民と野党の共闘を深化させ、農民連の運動を強めていかなければならないと思っています。

(新潟県農民連事務局長 鈴木亮)


福島

共通政策をもとにした
野党共闘で大きな成果

選挙での訪問、対話で会員とのつながり強化

 衆議院選挙で福島県内では野党統一候補が3勝2敗と前回よりも1議席前進し、支援に奮闘した農民連会員も大いに励まされました。また、立憲民主党の統一候補が選挙区では惜敗したものの比例で復活当選を果たしました。

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公示日(10月19日)に農民連とともに宣伝する金子恵美1区候補(福島市)

 県農民連では8月から野党候補者に対し、農民連独自の政策要求を提出し、懇談をしてきました。また、全県で農民連宣伝カーを運行し、米価下落対策と米緊急支援を訴えました。

 9月に市民連合と野党統一候補の共通政策合意を受け、選挙区での統一候補を全面的に応援してきました。統一候補には女性部から「必勝タペストリー」が届けられ、大変喜ばれました。稲刈り真っ最中の選挙戦でもあり、困難はありましたが、会員には新聞「農民」号外、候補者チラシの配布などを徹底しました。

 安達地方農民連は緊急役員会を開催し、「この米価大暴落のなか、農家が今までにない困難に直面しているときだからこそ選挙でがんばろう。政権を変えて、農家を支える政策を実現しよう」とみんなで意思統一しました。

 この意思統一を受けて、佐藤佐市会長を先頭に、役員と事務局、女性部が会員を訪問するチームと事務所から電話かけするチームに分かれ、連日選挙活動が始まりました。訪問するとどこでも歓迎され、米価への怒りと統一候補者への応援をいただき、元気のでる訪問活動になりました。

 対話では「自民党では農業を続けられない。政権交代した方がいい」「戸別所得補償を復活してほしい」など、米価下落に苦しむ切実な声が多数出されました。

 昨年、持続化給金で会員が大きく拡大していましたが、どんな経営や人柄かなどを把握するまでには至っていませんでした。この選挙活動を通して、役員、事務局と新会員のネットワークを作ることができ、今後の組織運営に大きな役割を果たしました。

 県内どの地区も統一候補と与党候補の一騎打ちの構図になったため、訴えやすい選挙戦となり、全ての会員に声をかけ、選挙で対話することを目標としました。今回は政権交代には至りませんでしたが、野党が統一したからの結果であることは間違いありません。ここに確信を持ち、来夏の参議院選挙では課題を克服し、選挙区も比例代表も野党の躍進で政権交代を実現しましょう。

(福島県農民連事務局長 佐々木健洋)


米危機打開院内決起集会
日時 11月25日(木) 午後1時半〜4時半
場所 国会議員会館(調整中)
内容 院内集会(1時半〜)
   ・情勢学習 鈴木宣弘東京大学大学院教授
   ・野党議員からの連帯あいさつ
   ・各地からの決意表明
   ・農民連本部からの行動提起
   農水省要請(予定、3時〜)
   官邸前アピール行動(4時〜)
主催 農民連

(新聞「農民」2021.11.15付)
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