新聞「農民」
「農民」記事データベース20211115-1481-02

談話

総選挙結果について

2021年11月2日
農民運動全国連合会
会長 長谷川敏郎


 農民連の仲間のみなさん、総選挙で「政権交代で日本農業と家族農業に希望を」を合言葉に、野党統一候補の勝利に向け奮闘されたことに心から敬意を表します。

 10月31日に投開票された総選挙の結果は、自公勢力を前回選挙時比20議席減まで追い詰めましたが、野党統一勢力による政権交代にまで一気に突き進むことはできませんでした。しかし、候補者を一本化した214小選挙区のうち62小選挙区で勝利し、惜敗率80%以上は53小選挙区にのぼり、野党が候補者を一本化した初挑戦として大きな成果を上げました。

 現在の選挙制度のもとでは野党共闘なくして政権交代はありません。野党が共闘に後ろ向きになれば、自公勢力の思うツボです。農民連は市民と野党の共闘を草の根から発展させ、来年の参議院選挙の勝利めざして引き続き奮闘します。

 総選挙は深刻な米価暴落の連鎖が続く中で行われました。農民連は米問題を総選挙の争点に押し上げるため、全国のたたかいを9・24米危機打開中央行動に結集させました。この集会に立民・共産・国民・社民・れいわの野党がそろい、共通して政府に買い入れや食料支援を要求したことは画期的でした。

 この到達を踏まえ、農民連は全国で野党統一候補と「私たちの要求」((1)政府による緊急買い入れ、(2)食料支援制度、(3)戸別所得補償の復活、(4)消費税5%への減税とインボイス中止)の「政策協定」を結び、選挙の勝利めざして全力を尽くしました。この取り組みは農民連の歴史上初めてです。

 全国各地で農民連の組織と野党の統一・共闘候補との新しい関係、連帯の絆が広がりました。農民連本部もすべての野党統一候補の選挙事務所に10月25日付「まやかしの15万トン特別枠」特集の新聞「農民」や米関係資料を届けるなど、野党候補勝利に貢献するとともに今後の農民連の要求実現活動に新しい可能性を切り開くことになりました。

 これを力に国連「家族農業の10年」の具体化や「農民の権利宣言」の掲げる方向に農政を変える運動を強化しましょう。

 とりわけ、気候危機打開は待ったなしの課題です。農民もアグロエコロジーなど持続可能な農業へ転換が必要です。そのために政府が十分な支援を行うことを求める運動はますます重要です。

 農民連は引き続き、来夏の参院選に向けて、岸田自公政権の新自由主義農政を転換させるために全力でたたかう決意です。

(新聞「農民」2021.11.15付)
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