新聞「農民」
「農民」記事データベース20230306-1543-05

安心・安全な農産物を学校給食に

大阪農民連阪南支部協


有機栽培と学校給食考える
学習交流会に35人が参加

 大阪農民連・阪南支部協議会(山下博会長)は2月12日、泉佐野市内で「有機栽培と学校給食を考える」農家と消費者の学習交流会を「かしはらオーガニック」代表の山尾吉史さん(66)を迎えて開催しました。

 当日は、新規就農をめざす若手農家3人を含む農家・消費者・地方議員など35人が参加しました。講師の話を聞いて、参加者全員が自己紹介と感想を述べあって、熱く交流しました。

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「安全・安心な学校給食を」と交流しました

 地場産農産物をより一層活用を

 山尾さんは、10年前に56歳で早期退職(地方公務員)して、有機栽培の米専業農家になりました。米の販路拡大を求めて、農民連・奈良産直センターに加入し、間もなく「奈良の学校給食を考える会」に参加しました。

 「学校給食に地場産農産物のより一層の活用を」と橿原市でも教育委員会に懇談を申し入れ活動開始。同時に市内の保護者、子どもたちを対象に米づくりを中心とした「農業体験」に取り組み、農民連・奈良産直センターからも、JAならけん橿原営農経済センターを通じて、学校給食に地場産農産物の供給を始めました。

 22年3月には、橿原市、JAならけん橿原営農経済センター、かしはらオーガニックの三者で「学校及びこども園の給食における地場産農産物等の活用に関する協定」を締結できました。また、22年1月には、地元の香久山地区のお母さんたちで「すまいる農園かぐやま」を設立し、有機農業による根菜を中心とした野菜を栽培、新規販売農家の支援、育成に取り組んでいること等を、リアルにドラマチックに報告し、大きな感動を呼びました。

 消費者・農家が共同して運動を

 交流会のなかでは、「学校給食に関心をもって参加。『農薬だめやろう』と単純に思っていた。農家の苦労がよくわかった」(若いお母さん)、「周りの方の協力を得て休耕地を解消する取り組みに感銘した」(自然農・女性)、「子どもが手で田植えし、鎌で刈る話を聞いてびっくりした」(新規就農者)などの感想が出されました。

 また「『有機栽培はできるところからやっていけばいい』という話に共感」(新規就農者)、「学校給食は、子どもを育てること。次世代のため。若い農家の方がいてうれしかった」(新日本婦人の会)など、消費者・農家が共同して「学校給食に地場産の農産物を」の運動を進めていく交流の場になりました。

(大阪・阪南支部協議会 下村晴道)

(新聞「農民」2023.3.6付)
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