「農民」記事データベース20000306-440-14

「不足払い制度」廃止するな

乳価保証で農水省交渉北海道・関東の酪農家


 農民連と畜全協は、二月二十二日、北海道や関東の酪農家が参加して、加工原料乳不足払い制度廃止の中止や保証乳価の引き上げ、ふん尿処理施設整備の農家負担の軽減、負債対策などを求めて、農水省畜産局と交渉しました。しかし農水省は、不足払い制度廃止を前提に、「酪農家の所得は、労働者と遜色ない」などと強弁しました。

 不足払い制度は、農水省は昨年三月、「新たな酪農・乳業対策大綱」で二〇〇一年度からの廃止を打ち出しましたが、改悪法案はまだ国会にかけられてもいません。にも関わらず、畜産局牛乳乳製品課の伊佐課長補佐は、すでに既定路線のように言い、酪農家の「乳価が下げられる」という不安があたかも的外れであるかのような答弁。制度部会で、新たな方式を検討していることを明らかにしました。

 北海道農民連の石沢元勝副委員長は、離農のピッチが上がっていることを示し、「酪農家がいくら生産費を下げる努力をしても、乳価が下げられる。鼻先にニンジンを吊るされ走る馬では、酪農家の立つ瀬がない。多頭飼育で無理して体を壊す農家がたくさんいる」と同方針の撤回と乳価引上げを厳しく要求しました。

 また、ふん尿対策については、畜産経営課の松本課長補佐は「悪徳な業者がもうけ時とばかり回っているが、口車に乗らないで欲しい」と述べ、助成枠拡大について「最大限努力する」と回答。しかし、今ある負債の低利への借り換えには、明確な回答を示しませんでした。

北海道農民連十勝地区協議会の山川秀正事務局長の話

 酪農家の負債対策は緊急の課題だ。浦幌町の若手酪農家の場合、低利の大家畜活性化資金に借り替えできれば、年間の償還額が百五十万円も違うのに、ここ三年申請してまだ採択されない。大家畜活性化資金は二〇〇〇年度で終了することになっているが、その後のことは何も示されなかった。これは、あまりにもひどい。

(新聞「農民」2000.3.6付)
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2000年3月

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