「農民」記事データベース20000703-455-09

若き農民の悩み

〜父の力〜


 「親父の仕事の手伝いだけではつまらない」「自分主体の仕事をしたいけど親父にはかなわない」今年の農民連青年部総会で若き農民の悩みを、ほほえましく、ヒヤヒヤしながら聞いた。

 二千箱の苗を育てる作業の内、水管理等を親父に手伝ってもらっているが、この親父なかなかの趣味人で作業場、育苗ハウス、周辺に土着の盆栽を仕立て、楽しんでいる。

 昔、山の中に形を整えた木が多くあった。山そうじの合間にひそかに至福の時を紡いでいたのだろう。そんな親父の息子の私は、草刈りの時、草刈機で切り飛ばし、畦焼きの火で枯死させた。

 久々にわが家の育苗センターに来た親父は、あたりを見回し、さみしげな目をしていた。親父との関係でイライラしなくなったけど、心の落ち着いた農業を出来ない私はまだまだなのだ。

 悩む若き農民よ!自然相手の農業は、いつまでも一年生なんだ。親父とは早生れの一年生だと思って付き合っていけよ。親父の力を頼める関係を失って、経営の全てを失わないように。

広島県青年部 木戸菊雄

(新聞「農民」2000.7.3付)
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2000年7月

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