「農民」記事データベース20010305-483-08

第三回大豆畑トラスト集会

豊かな経験持ちより交流


 全国六十カ所以上に広がった大豆畑トラスト運動は三回目の収穫を終え、二月二十一日には第三回大豆畑トラスト運動全国交流集会が開かれました。会場の東京飯田橋のセントラルプラザには、全国から八十人、十二カ所の生産地から参加、各地の経験や知恵を交流しました。主催は遺伝子組み換えいらないキャンペーン。

 「エッ、これ全部大豆で作ったの?」「おいし〜い!」。集会は、手作り料理を囲む「まめコメパーティ」で始まりました。自作の大豆や米に創意工夫を凝らした料理は、大豆の五目煮やドライカレー、おからのドーナッツ、お米で作る自家製のポン菓子まで様々。「大豆からこんなにたくさんの料理ができるんですね」「レシピはないの?」。バラエティーに富むユニーク料理は参加者に大人気。

 次に遺伝子組み換え食品をめぐる最新情報を天笠啓祐さんが基調報告。アメリカでは遺伝子組み換え作物の作付面積が大幅に減り、大手食品メーカーは遺伝子組み換え食品から次々に撤退していることを報告、私たちの運動が遺伝子組み換え推進勢力を追いつめていると指摘。

 また、根からの殺虫毒素分泌や、導入遺伝子の環境への拡散など、遺伝子組み換え作物の弊害が明らかになる中で、稲の遺伝子解析に莫大な費用を注ぎ込み、遺伝子組み換え作物の国内流入を野放しにしている政府の姿勢を批判。運動の力でこそ危険な食べ物を退けることができるとして、大豆畑トラスト運動をさらに広げることの大切さを強調しました。

 「みんなで話そう」のトラスト運動の経験交流では、去年の生育の様子、感想、意気込みなどを生産者が報告。その中で自らが抱える様々な疑問や悩みが出されると、他の地域の生産者が自分たちの経験を進んで紹介し合うなど、活発な討論がなされました。特に価格のことに関しては、どの産地も大変な苦労をしていて「安全性とおいしさを売り文句に自ら足を運んで売り歩いている」「一度農協に出荷した大豆を安く買い取る」「大規模化してスケールメリットを得る」など、各地の取り組みの交流が盛り上がりました。

 また醤油・味噌など加工業者からは、安全な食品作りにかける思いが発言されました。

 集会のまとめとして、今年は運動を広げると同時に地元の農協や食品加工業者、小売店、学校給食などと提携し、また補助を求めて地元の自治体や農協に働きかける取り組みを強めることが確認されました。

(産直協 笠原尚)

(新聞「農民」2001.3.5付)
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2001年3月

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