ゴハンを食べてがんばっていこう!
「米の力」収録のミニアルバム 『まずはゴハンをたべなさい』をリリースした
高岡奈央さん
 ♪米の力を信じたい 日本人なら基本だ まずはごはんを食べなさい 腹からわき上がるパワー♪――本拠地を新潟に置き、東京などでもライブ活動をする歌手の高岡奈央さん(25)。今年七月「米の力」収録のミニアルバム『まずはゴハンをたべなさい』をリリースしました。高岡さんに歌手活動や「米の力」が生まれたエピソードを聞きました。
  
  
 「米の力」は、ロックというより、どちらかとういうとポップスですね。新潟に本拠地を置いて、県外でもライブとか、CDショップのインストアイベントで活動しています。レギュラーのラジオ番組が新潟、石川、長野、富山のネットで放送されていて、東京のラジオにゲストで呼んでいただいたりとか、新聞、雑誌などにも掲載されたり。今は、新潟以外でも高岡奈央を知ってもらうためのキャンペーンをやっています。 
  ぐんぐん伸びる生命力を見て
 私が育ったのは、新潟県の五泉市という、山もあって、田んぼもあって、ほんとにのどかなところで、田んぼとか、お米とか、すごく当り前だったんですよね。 
 お米って、ちっちゃい苗を植えてから刈り取られるまで、すっごいグングン伸びますよね。五月の時はあんなちっちゃかったのに、気づいたら青々としている。その生命力を見てきたのでこういう詞になったのかなという気はします。「米の力」は、みんなを元気づけるような歌が歌いたいなって考えるなかで「米の力」という言葉が出てきて、この言葉をキーワードにして、詞を広げていったのがこの曲です。歌には言葉の響きも大事だと思うんです。だから「米」じゃだめなんです。「米の力」がいいんですよ。 
  音楽が好きな中学生だった
 もともと音楽が好きな中学生だったんですけど、高校進学をキッカケにバンドをやりたいと思って。でも空きがなかったので、習いに行ったんです。そしたら、今度は習うのが楽しくなっちゃって。しばらくやってましたね。十九歳くらいで趣味で楽器弾きたいっていう人たちとバンドを組むようになって。そんな時、このCDを出したジャンクレコードさんと出会った。デビューして一年くらい「NAO」バンドで活動して、去年の七月からソロ活動を始めて一年ちょっとになります。 
 これからは、ちっちゃい子も、流行語とかあまり知らないお年寄りとかもわかる、そういう曲がやりたいって思います。デビューした頃はとにかく、自分のことを歌にしようっていう感じだったんですけど、だんだん層の広い曲を歌いたいなーって思い始めています。 
 『上を向いて歩こう』とか、言っていることがよくわかりますよね。歌詞も難しくないし、伝わることって、けっこうすごいって思うんです。自分の歌がみんなの歌になる。そういうのに憧れますね。今回のアルバムからはそういうことを意識しています。 
 「米の力」は「元気でがんばって行こう!」みたいな歌で、それにお米がモチーフで使われているので、わかりやすいらしくて、反応はいいと思います。初めは、「新潟とか農家じゃないとわからないんじゃないか?」という気持ちもあったんです。でも、そんなことはゼンゼンなかったですね。なんだかインパクトあるようで、「エッ、コメー」みたいに、ビックリするようです。 
 少し前、東京・吉祥寺でライブをやった時、その日だけ「米の力」をはずしたら、アンケートに「今日はお米の曲はなかったですね」「お米の歌は今日はやらないんですか」とか書いてあって。「あっ待ってたんだ。けっこうみんな覚えてる。うれしいなー」と思って。 
  自分の曲、どんどん広げていきたい
 「米ですか〜」と言われますが、サイン会のときなどに、ちっちゃい紙袋に、白米を入れて配ってます。お米は、ギターを弾く人の実家のお米です。最初はオニギリを配ろうかとも思ったんですがダメになって。八月までは、その場で袋を開けてもらって、色の違う健康米が入っていたら「米の力」と書いた扇子をプレゼントしたり。 
 すっごいお腹すいた時って、ゴハン食べないと食べた気がしないですよね。私自身、玄米食なんですが、お米って健康のために食べたりとか、そういう面もみられるわけじゃないですか。 
 ライブで県内を移動する時とか水田風景に出合うし、休みの日、バイクとか車でわざわざ五泉市に行ったりします。「よくここ通ったなー」とかって。 
 減反は、農家の人から見て悪いことだと聞くんですけどね。私にはよくわからないんです。ただ「米の力」の元気な曲を聞いて、がんばっていこうと思ってもらえたらいいですね。農業に関係ある人も、関係ない人も、ゴハンの生命力をもらって、そういうまっすぐな力を蓄えていって、ゴハンを食べて、いろんなことを乗り切っていってほしい。 
 お腹すいた時に良い考え、浮かんでこないですよね。私も含めてですけど、とりあえずゴハンを食べて、がんばっていってほしいなと思います。 
 これから高岡奈央、こういう人だゾッて全国で知ってもらって、自分の曲をどんどん広めていきたいです。 
  (聞き手/森吉 秀樹・写真/満川 暁代) 
 
 
●プロフィール
たかおか・なお 1977年9月26日新潟県村松町生まれ。新潟市在住。2000年4月、NAOバンドとして新潟JUNK BOX初ライブ。2001年7月、バンドを解散し、「高岡奈央」ソロとして本格的に活動開始、以後、JUNK BOXを中心にライブ活動を展開。2002年7月、『まずはゴハンをたべなさい』をリリース。 
●レギュラーのラジオ番組「STAR TO FACTORY」
FM-NIGATA 毎週日曜夕方6時〜 
FM-NAGANO 毎週土曜深夜24時半 
FM-ISHIKAWA 毎週日曜深夜24時〜 
FM-富山 同上 
●高岡奈央ライブ
▼日時 12月20日(金)19時から 
▼会場 新潟市音楽文化会館 
▼料金 全席指定2,800円 
▼発売 10月27日(日)プレイガイド発売&同日10時から電話予約受付 
▼予約・問い合わせ FOB新潟025-229-5000 
 
 
米の力
作詞・作曲 高岡奈央 
 
きれいな水が青く きれいなひかり集めるように 
かげりのない心が 人の気持ちを映し出す 
きれいな空が白く きれいな雲を浮かべるように 
余裕のある心が 人の気持ちを受け入れる 
 
もう 手に負えない これ以上無理 なんてない 
なんとかなるさ 
 
米の力を信じたい 
日本人なら基本だ 
まずはごはんを食べなさい 
腹からわき上がるパワー 
 
(以下省略) 
        (新聞「農民」2002.10.7付) 
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