「農民」記事データベース20050321-676-10

高校生のレストラン 新装オープン

まごの店

 三重県多気町の五桂池ふるさと村に、高校生が調理・運営するレストラン「まごの店」が、二月十九日に新装オープン。来店客は、本格的な味と安さにびっくり。町と高校、そして料理家をめざす高校生の熱意が、「地消」の場を作り上げました。


県立相可高校

三重・多気町

 三重県多気町の五桂池ふるさと村に、高校生が調理・運営するレストラン「まごの店」が、二月十九日に新装オープン。来店客は、本格的な味と安さにびっくり。町と高校、そして料理家をめざす高校生の熱意が、「地消」の場を作り上げました。

 調理から接待、経理まですべてを担当しているのは、県立相可(おうか)高校食物調理科の生徒たちです。十年前に着任した村林信吾先生の熱心な指導のもと、生徒たちは全国の料理コンクールで常に上位入賞を果たすほどの腕前。卒業後は、ホテルや旅館、料理屋などのシェフ、板前さんをめざしています。町は、この生徒たちの活動に注目し、本格的に料理を作り地元の人たちに食べてもらうレストランの建設を計画しました。

料理家めざす でっかい夢
町や地域が幅広く応援

 施設も生徒が設計

 町農林商工課の岸川政之さんは、「町と県立の高校、農林課と教育委員会など、この取り組みを理解してもらうのに苦労したが、『地域の夢、未来への投資』という呼びかけに、誰ひとり反対しなかった」と言います。その熱意が、約九千万円の予算獲得につながりました。

 建物は、将来建築家をめざす県下の高校生にコンペを呼びかけ、最優秀賞となった四日市工業高校の生徒が設計した半円形状で開放的なもの。

 用意した八百円の「まごの店弁当」は、焼き魚に野菜の煮物、鳥の空揚げ、出し巻き卵を基本に、サバの味噌煮、松坂牛の肉じゃが、野菜のてんぷらから二品を選びます。野菜は、近くの直売所「おばあさんの店」から、卵は地元の農家まで出かけて「これなら」と納得したものを調達。生徒たち三十六人が前日から仕込んで準備しました。

全国コンクール上位入賞の腕前
本格的な味と安さにびっくり

 もっと地産ふやし

 「前日は一睡もできなかった」という村林先生は、「ここは料理家をめざす生徒たちに夢を与えてくれるところ。食べておいしかったよ。生徒たちを応援しよう―そういう輪がひろがってほしい」と、目を細めます。「オープンまで心配だったけど、喜んでもらえて本当によかった。このレストランを大切に、腕をもっと磨きたい」と、部長の岡田雄斗君と生徒たち。

 多気町に住む三重農民連の川辺仁造事務局長は、「このレストランは町の誇りです。今度は、『地産』。会員を増やして、ものづくりをおおいにすすめたい」と、話していました。

 営業時間は昼だけ。営業日は学校が休みの日(土日祝、春・夏・冬休みなど。ただしテスト前などは臨時休業です)。

(新聞「農民」2005.3.21付)
ライン

2005年3月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2005, 農民運動全国連合会