「農民」記事データベース20050606-686-05

全国食健連総会

草の根から運動強化を

各地の多彩な経験交流


 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は五月二十二日、都内で第十六回総会を開き、七十六人が参加。各団体が各地の取り組みを交流しました。

 主催者あいさつした全農協労連の老田弘道委員長は、担い手不足や農家の米作離れが深刻化している現状にふれ、「地域の動きに注目し、その動きに合わせた活動が求められている」と指摘。影響力を拡大していく重要性をのべ、「今までの経験を踏まえて、新たな飛躍を」と呼びかけました。

 食と農守る広範な共同広げよう

 坂口正明事務局長が議案報告。政府・財界が食料、農業を大企業のもうけのために動員しようとして、「構造改革」や「規制緩和」を進めていると批判。家族的農業経営を土台とした日本農業を抜本的に改悪しようとするもので、国民の食料や農業は、重要な局面を迎えているとのべました。

 一方で、食の安全・安心、食料自給率の向上を求める国民世論はかつてなく高まっていると指摘。「全国で進めてきた食の安全・安心を守る運動、全国各地の取り組みの成果や教訓を土台に、食と農業、地域をめぐる新たな局面にふさわしい共同の運動を強めよう」と呼びかけました。

 討論では、各地のさまざまな取り組みを交流。米の現場からは、「有機米、特別栽培米に補助金を出している町への支援を、県に要請したところ、県が町への助成を検討すると答弁した」(長野)、「米の討論集会など幅広く呼びかけて、共同が広がっている」(福島)、「遺伝子組み換え稲の野外での試験栽培に反対する運動を住民の合意を得ながら進めたい」(新潟)などの活動が紹介されました。

 憲法守る活動などと結んで

 百万人を目標にしている自給率向上署名は、四十万筆を超えました。「六万八千筆集め、これまでにない取り組みになっている。スローガンもわかりやすく、『おばちゃんたち』が率先して集めている。地域から学習を基礎に運動していきたい」(大阪)と意気高い発言がありました。

 改憲がたくらまれるなか、憲法を守る独自の取り組みが求められています。宮城食健連は、新鮮でおいしい農産物を食べながら、憲法を語り合う企画を計画しています。

 中央団体も多彩な活動を報告。新日本婦人の会は「食べて、学んで、美しく」が合言葉。農業体験や商店街活性化の取り組みを生き生きと語りました。

 政府の委員会などで、消費者の代表として、意見を言ってきた家庭栄養研究会。消費者の立場にたった答申を盛り込ませた成果にふれながら、「食健連の声を委員会などに反映させていきたい」とのべました。

 日本共産党の紙智子参院議員が「みなさんの運動と国会での議論を結びつけてがんばります」と連帯あいさつをしました。

(新聞「農民」2005.6.6付)
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2005年6月

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