「農民」記事データベース20050801-694-02

岩手 秋田

「米改革」だまっていられない

県米価対策共闘会議 集会と県などへ緊急要請

関連/米・農業の未来ひらくには…

 「米改革」元年の昨年は、米価が大暴落しました。2年目を迎え、「米改革」を問い直し、地域農業の再生をめざすとりくみが米どころを中心に広がっています。


 「農は国の基」。安全な食糧確保と農業の発展こそ政治の要――。秋田県米価対策共闘会議(県農民連、厚生連労組で構成)は七月二十日、秋田市文化会館で「米・農業つぶし許さず! 7・20秋田県農民決起集会」を開き、百五十人が参加しました。(写真〈写真はありません〉

 小泉「構造改革」のテコとされる「米改革」の中止、米価の下支え制度の創設などを求める八項目の特別決議を採択。集会に引き続いて参加者は、県、農協中央会、全農県本部、農業会議、農政事務所に対して緊急要請を行い、県の基幹産業である農業の振興を強く求めました。

 東洋大学講師の山本博史さん(農民連参与)が、「これでいいのか『米改革』 そのねらいを撃つ―世界の米事情から見た日本の米政策」と題して基調講演。「世界の米市場はいっそうひっ迫する。食糧は人間生活に不可欠のもの。大企業のもうけの材料にさせてはならない」と強調しました。

 続いておこなわれた「『米改革』徹底検証―だまっていられない怒りの発言」では、会場から参加者が次々発言。美郷町で十ヘクタールの水田を耕作する渡辺晃さん(27)は「米価の暴落で三百万円の減収だ。大規模農家ほど切迫している。若い人たちが国に対して発言していかなければならない」と力強く訴え。藤里町の小林幸一さん(65)は「地域の全自治体、農協を回ったが、町長から『農家経済が悪化し、税収に影響している。米価でがんばってくれ』といわれた」と、期待の広がりを強調しました。

 当日は、県内自治体の農業関係者も参加。また、地元テレビ局が密着取材し、夕方の番組で詳しく放映しました。

(秋田県農民連 佐藤長右衛門)


米・農業の未来ひらくには…

農民・農業委員、自治体関係者など 県革新懇よびかけシンポ

 シンポジウム「米・農業に未来をひらくために」が七月九日、岩手県水沢市で開かれました。このシンポジウムは、岩手県革新懇のよびかけで、農協労組、地域労連、農民連が加わる実行委員が企画したもの。地元の県南部を中心に、農民や農業委員、自治体関係者など約二百人が集まりました。(写真〈写真はありません〉

 農民連参与で東洋大学講師の山本博史さんが、「世界の食糧から日本の農業政策を考える」と題して基調講演。世界の食料事情をふまえ、「いつまでもあると思うな世界のお米」という山本さんの言葉に、参加者はうなずいていました。また、「世界の中では特に紛争地域で食料難が起きている。平和こそ食料を守る道」と強調しました。

 続くパネルディスカッションでは、紫波町で 農業を営む生内(おぼない)多喜男さん、いわて生協副理事長の佐々木みどりさん、西和賀農協組合長の佐々木覓(もとむ)さん、日本共産党衆議院議員の高橋千鶴子さんがそれぞれの立場から発言。

 生内さんは「集落営農の担い手として、麦の作業受託組合で作業の中心に立たねばならず、大変。来年度の結果を基準に交付金が新たな枠組みになるというが、やっていけるかどうか」と、地域の中で営農を進める悩みを語りました。これに対し高橋さんは、「再生産できる価格保障を実現させる取り組みなどが重要」と述べました。

 また佐々木みどりさんは、農家と消費者の顔の見える交流について、佐々木覓さんは、米を守る方向に農政を変えていく運動の大切さについて話しました。

(岩手県農民連 岡田現三)

(新聞「農民」2005.8.1付)
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2005年8月

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