「農民」記事データベース20050822-697-09

旬の味


 今年も暑い夏とともに、八月六日、九日がやってきた。とりわけ被爆六十年ということで、国民の関心が高まっている。先日もテレビで、広島、長崎の当時の惨状と、その後遺症に今も悩まされている被爆者のたたかいが映し出され、あらためて核兵器の恐ろしさを再認識した▼六十年を過ぎた今も、爆心地から半径一キロ以内で被爆した人たちの大半が重複がんに侵されているという。その特徴はがん細胞が、胃、皮膚、甲状腺、腸などまったく別の個所から次々と発症すること。現在の医学では仕組みは解明されていないが、その人たちが中性子線やエックス線などの放射線を浴びたことは間違いない▼ウランの半減期は地球年齢に等しい四十五億年。六十年経っても放射能の影響から逃れられない▼自衛隊が派遣されているイラクのサマワでは、米軍によって劣化ウラン弾が使われた。今も砂ぼこりとともにウラン分裂片の微粒子が空気中に漂っているという。無事帰還した隊員たちが「被爆者」にならない保証はない。

(慎)

(新聞「農民」2005.8.22付)
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2005年8月

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