「農民」記事データベース20061023-753-11

旬の味


 秋たけなわ、テレビドラマ「芋たこなんきん」ならぬ、芋、柿、ナンキンの採り入れに忙しい。実りの秋の喜びは「ものをつくった」者が味わう格別のもの。農民ならではの冥利(みょうり)である▼さて、担い手から集落営農へと、目先を変えて価格政策の対象を四ヘクタール以上の農家に移したが、都府県での対象農家はわずか四%に過ぎない。所得目標七百万円をうたった担い手政策は、二百万円もいかないなかで担い手が高齢化し、地域農業振興に何の成果もなかった。今度の集落営農の結果も見えている▼安倍首相は「美しい国、日本」と言い、それはこの国の四季折々の景色と人々の心情だという。教育基本法を改悪し、五年以内には憲法も改悪して、「アメリカとともに戦争をする国」にしたいという首相の「美しい日本」とは……▼それは問うまでもない。農業をつぶし、農民を追い出して、何が「美しい国、日本」なのか。美しい国の豊かな風景も、人々の心情も、農業とは不可分のなかで培われた文化なのである。

(新聞「農民」2006.10.23付)
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2006年10月

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