女性白書2006
婦団連編「格差社会と女性」
格差拡大にどうたち向かうか
学習や行動に大いに役立つ
今年度版のテーマは「格差社会と女性」。小泉前政権は「構造改革」の名のもとに、医療、福祉、社会保障制度を破壊し続け、それによってもたらされた貧困や格差拡大を「自己責任」「自助努力」の結果として放置してきました。
さらに庶民大増税、労働法制の規制緩和が、若者から高齢者までの人間らしい生活を破壊。非正規労働者を拡大して、ワーキングプア(働く貧困者)を増加させ、社会不安を増大させました。
農業分野でも、WTO体制のもとで、自由貿易が推し進められ、国内では品目横断的経営安定対策の実施で、農家に格差が持ち込まれようとしています。その一方で、地産地消運動など草の根からの農業振興の取り組みも前進しています。
本書では「格差社会」出現の根源に迫り、格差拡大が女性にどのような影響を及ぼしているかを、分野別に検討し、それにどう立ち向かうかを考えます。
OECD(経済協力開発機構)加盟五カ国の子育て環境やジェンダー・平等施策の実情と運動などリポートも満載。男女共同参画基本計画(第二次)、改正男女雇用機会均等法などについて検討を加えるとともに、巻末には付属統計表や関連資料が収録されています。
本書は「格差社会」に立ち向かい、憲法、教育基本法を生かした平和な日本を実現するための学習や行動に大きく役立つでしょう。(ほるぷ出版 3200円+税)
(新聞「農民」2006.11.6付)
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