産直 環境保全 地域農業振興生消研シンポ 行政の支援と展望を探る
食糧の生産と消費を結ぶ研究会(生消研、会長・飯島幸三郎)は三月十六、十七の両日、長野県小諸市で第三十三回シンポジウム「産直・環境・地域振興と行政の支援」と総会を開きました。 シンポジウムでは、小諸市長の芹澤勤さんがあいさつ。宮城県のJAみどりの理事で全国環境保全型農業推進会の佐々木陽悦さんによる基調報告―「なぜ産直・環境保全型農業〜地域農業振興の課題と展望」のあと、小諸市在住の三人から実践報告がありました。陶工でエコロジー・エネルギー研究会の岡本一道さんは「手仕事のスピードで暮らして三〇年、陽の当たる坂の街で今思うこと」と題して、太陽光発電やマイクロ水力発電の取り組みについて報告。小諸市子ども教育課で管理栄養士の滝澤幸美さんは、生産者と学校給食の協同について「地産地消と食育の取り組み〜地場産野菜を学校給食に」を報告。久保産直会代表の掛川寿夫さんは「生協産直三十年―生産と消費を結びつけた食料生産」について話しました。会場には、地元の人たちを含め八十人余りが参加するなど関心の高さを示していました。(写真〈写真はありません〉)
全小中校に発電パネル太陽光発電小諸は日本中で最も日照時間が長い地域のひとつ。その特性を生かして、市内にあるすべての小中学校に十キロワットの太陽光発電パネルを設置し、昨年一月から発電が開始されました。またソーラークッカー(パラボラ型反射鏡)などを使った自然エネルギー教室も実施しています。岡本さんは「子どもたちが化石燃料消費のエネルギーや地球環境のこと、そして地域やみんなのことも考えてくれる機会になれば」と、話しています。
地産野菜を学校給食に地産地消健康的な生活習慣をめざすことも、ロハスの大きなテーマ。八カ所の農産物直売所を中心にした顔の見える地産地消。生産者と協同した学校給食では、四十四品目以上の米や野菜を二十六人の生産者が届けています。時には、生産者を先生にした食育の授業も。そして最近完成した農産物加工施設では、百人を超すお母さんたちが自ら生産した大豆や野菜を持ち込んで、みそや漬物、惣菜づくりに励んでいます。環境と健康を重視し、自分らしさを大切にした生き方を実感できるようなロハスな街づくりをめざす小諸市です。
「ロハス課」設置小諸市が日本初 シンポジウムの会場となった小諸市は、ロハス政策を推進。行政では、日本ではじめてロハス課を設置しました。ロハスとは、「Lifestyle of Health and Sustainability」の頭文字を取った造語。地球環境保護と健康な生活を最優先して、人と自然が共存できる持続可能な社会のあり方をめざすライフスタイルのこと。 (新聞「農民」2007.4.2付)
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[2007年4月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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