阿見のおいしい里だより
茨城県南農民組合女性部 飯野靖子
縁起よく正月料理の一品・レンコン
霞ケ浦周辺は日本有数のレンコン産地。阿見町でも専業農家が多い。今回はレンコン農家に聞いたレンコン作りをお便りします。
春四月から五月にかけて、田んぼに施肥、代掻き(しろかき)した後、種バスを泥の中に植え付ける。追肥、草取りなどの管理作業に追われること三〜四カ月、八月ごろに新バスを掘る。お盆にはあの美しい花が墓前を飾り、田んぼ一面、緑の葉がなびく風景は壮観。
今では品種改良されて通年栽培されている所も。田に入っての収穫作業は男の仕事。ウエットスーツのようなものをはき、ホースを持ち、水圧をかけて泥をかき分けてハスを掘り起こし、舟に積み込むこと一日四〜五時間。夕方には農協に出荷という毎日が続く。寒い時期の作業はきついが、ホッカイロを腰にあてて頑張るのだそうだ。
秋から冬にかけて需要が多く、特にハスの穴は“先が見通せる”として縁起が良く、おせち料理には欠かせない一品。シャキシャキとした歯ごたえがたまらない。
名産品だけに“れんこんめん”などの加工品も開発され、農協女性部の料理本が出されるなど、メニューもさまざま。
《酢バス》
ハスを薄く輪切りにし、水を入れずに甘酢で煮る。
《おかか煮》
酢水にさらしてから油で炒め、削りかつお、しょうゆ、みりん、砂糖で煮る。
《レンコンサラダ》
甘酢で少し味をつけて煮て、ニンジン、キュウリ、ハム、キムチ、シーチキンなどを加えて、マヨネーズで和える。
《磯部揚げ》
酢水にさらしてからすりおろす。軽く水を切り片栗粉を混ぜる。鶏ひき肉や野菜のみじん切りを加えて丸くまとめ、のりを巻いて油で揚げる。
|
(新聞「農民」2007.11.26付)
|