旬の味
農民連会員から有機農業推進の実践報告を聞いた。以前、農作物は有機肥料の有機物をどのように利用しているのかを、土壌肥料学の故・岩田進午先生に尋ねたことを思い出した▼先生は「根は有機物が無機物に完全に分解されてから吸収する」との常識をくつがえす新しい発見があったことを教えてくれた。植物栄養学者が「水稲の根がヘモグロビンをアメーバーのように取り込む」ようすを、電子顕微鏡で確認したという▼ヘモグロビンは分子量6万5000のタンパク質で、これを喰(く)うとは驚きだ。どのサイズまで分解され、どのように利用されていくのかが判明していけば大きな力となろう。また有機肥料をエサとする土中微生物の役割でも、現在わかっている微生物がほんの一部に過ぎなかったことが判明し、今後の研究の進展が待たれる▼有機農業をさらに推進すれば、農作物の体力強化と味の良い安全な食糧の確保につながる。地球環境保全のためにも役立つものだけに、科学の力が欠かせない。 (昌)
(新聞「農民」2008.10.13付)
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[2008年10月]
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