「農民」記事データベース20090126-861-01

青年3人集まった 旗揚げだ

何をするにも仲間が必要だ

兵庫農民連青年部

 「何をするにも仲間が必要だ!」「若者が3人集まったから、とりあえず青年部を作ろう!」――年の瀬も押し詰まった昨年12月、兵庫県農民連の青年部が旗揚げしました。


やりたいことは―
男女の交流の場つくろう

 若い世代で一緒に考えたい

 「ソレッ!」「ヨッ!」「やっぱり若い人が元気なのはええなぁ」「にーちゃん、カッコええで!」――08年最後の土曜日(12月27日)、兵庫農民連の事務所前に笑い声が巻き起こりました。この日は事務所前で毎週開く朝市の最終日。特別に企画されたもちつきの実演で、誕生したばかりの青年部が“つき手”として大活躍しています。

 青年部の結成も、きっかけはもちつきでした。未曽有の大災害となった「阪神・淡路大震災」から14年。震災をきっかけに始まった毎年秋の収穫祭(農民連、食健連も参加)の出店者も年々高齢化するなかで、体力勝負となるもちつきの出店が途絶えていました。「なんとか農民連でもちつきを復活させてくれないか」――この要請に応えたのが、細目三成さん(39)と古跡(こせき)真一さん(37)、坂越勝利さん(33)の3人の若者でした。そして「せっかく若者が集まったんだから、念願の青年部を結成しよう!」ということに。

 今3人が「青年部でこんなことをやりたい」と話し合っているのは、農業青年と、ステキな出会いを望む男女の交流会。「同世代の若い消費者に日本の農業を見てもらいたい。農作業したり交流したり楽しみながら、農業の厳しさや今の農業つぶしの政治も含めて、一緒に考えてもらえるような機会をつくりたい。できればその中からカップルが生まれたらええなぁ」と、産直センターの職員で、農家の後継青年でもある細目さんは言います。

 実は細目さん、知り合いの紹介で「一緒に農業がやりたい」という雅代さんと12月に結婚したばかり。多くの人の助けがあって巡り合った2人だからこそ、「出会いの場があるって本当に大切だと思う」(雅代さん)という言葉には実感がこもっています。そして2人の未来を真剣に考えたことが、農業の魅力と大切さを考え直すきっかけとなり、農民連で青年部をつくって仲間をふやしていきたいという思いにつながっていったのでした。

画像
「にーちゃん!しっかりしいや」「もちつきは夫婦の息を合わせんとダメなんやで!」―新婚の細目さん夫婦に声援が飛ぶ

夫婦2人で農業の魅力・大切さ考えた

 農業に子育てに大奮闘中の父親

 初代部長は古跡さんが引き受けました。

 農業経験は皆無だった古跡さんと妻の清美さんが、おじいさんの田畑で就農するために加東市に移住してきたのは7年前。以来、模索をくりかえしながら有機・無農薬栽培に取り組んできました。6歳の長女を筆頭に4人の子宝にも恵まれ、農業に、子育てに大奮闘中の父親でもあります。

 「就農当初は、もうわからないことだらけ。メチャクチャでした」と頭をかく古跡さん。でも今では県連事務局の宮本美子さんが「この人の金時ニンジンはみごとなんやで。それを有機・無農薬で作るんやから、大したもんなんよ」と太鼓判を押すほどに技術を磨いてきました。

 「今は若い人がどこにいるのか捜しているところだけど(笑い)、いずれは僕らの経験も生かして、一人ぼっちのまま奮闘している新規就農の青年も応援していきたい。話す相手がいるだけでも乗り切れる時もあるから、そういう時に力になりたい」。

画像
古跡さん(左端)と左から長女・日和(ひより)ちゃん(6つ)、二男・晃(ひかり)くん(2つ)、長男・日向(ひなた)くん(4つ)と細目雅代さん(中央)、三成さん(右端)

 夫婦連れ、家族ぐるみ集まって

 もう一人の青年部員の坂越さんにも、今年1月に二世誕生の予定ありとのこと。「農作業も夫婦で協力してるわけだし、青年部で集まる時はみんな夫婦連れ、家族ぐるみでワイワイやっていきたい」と口をそろえる細目さんと古跡さん。「“青年部をつくろう”とは県連からも言われ続けてきて、もちつきがいいきっかけになりました。これから仲間を誘っていきます」。

 青年たちの活躍が楽しみです。

(新聞「農民」2009.1.26付)
ライン

2009年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2009, 農民運動全国連合会