「農民」記事データベース20090914-893-09

旬の味


 ただいま新米の刈り取り真っただ中である。今年は台風被害が少なかったが、日照不足の影響で稲穂の実入りが悪い地域が多く、全国的な作況が心配だ▼豊作を祝い喜んだのは昔のことで、最近では不作のほうが高く売れると喜ぶ輩(やから)もいる。豊作を素直に喜べなくなったのはいつごろからだろう。米価は安くなるばかり、資材・肥料は高くなるばかりだ▼総選挙では、誰もがこの時代に閉そく感を感じ、不満の受け皿として大躍進したのが民主党。農村では「戸別所得補償制度」が魅力的に映ったのだろうか。しかし日米FTAを推進し、競争力のある一部大規模農家や株式会社などの農業参入を優遇する姿勢が、見え隠れする。農村へのバラマキも「自由貿易を推し進めるための条件整備」では、自公政権となんら変わらないではないか▼とはいえ、変革を期待する世論を受けて誕生する政権なのだろう。票集めのパフォーマンスでないことを期待しつつ、収穫したての新米を食べながらじっくり見定めたい。

(山)

(新聞「農民」2009.9.14付)
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2009年9月

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