民主党政権が進める農政は?農・農研が研究例会 論議活発に
農業・農協問題研究所は9月6日、東京都内で第66回研究例会を開催。研究者ら約30人が参加しました。 今回のテーマは「民主党の農業政策」で、日本農業新聞農政経済部記者(国会担当)の藤井庸義さんを講師に迎え、政権を獲得した民主党が農政をどのような方向に展開しようとしているのか、報告を受けました。 藤井さんは、(1)農政において“政治主導”体制はどう構築されるか、(2)戸別所得補償制度はどのようなものになるか、(3)農家や農業団体の要求をどう受けとめて政策化するのか、の3点にポイントをしぼって発言しました(要旨は別記)。 質疑応答では、参加者から日米FTA交渉についての質問が相次ぎました。藤井さんは、「民主党は元来、自由化路線。FTAは外交政策の基本だ」と強調。しかし、党内の農林関係議員や、その背景にある農民の要求との矛盾は避けられないだろう、との見通しを語りました。 〈藤井さんの報告要旨〉 「政治主導」の目玉として構想されているのが首相官邸に置かれる「国家戦略局」。しかし、戦略局に入るのはごくわずかの政治家であり、農政のすべてにわたる政策決定を彼らが行うのは事実上不可能だろう。実際には農水省に対応する専門の政策集団が作られる可能性が高い。 戸別所得補償制度は、実施までの時間が限られていることから、現行の「水田・畑作経営所得安定対策」を基礎に制度設計をするのではないか。金額については、米1俵あたり全国一律で3000円程度という試算が民主党内にある。 対立が強まっているJAグループとの関係では、政権党として明確なスタンスを確立する必要がある。民主党に近い団体・個人で組織する「食と農の再生会議」の位置づけを含め、農民組織との関係はまだ流動的で、しばらくは模索が続くだろう。
安定的な多収穫のために
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[2009年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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