秋のグリーンウエーブ始まる
食料自給率向上の署名
全国で大きなうねり
食健連
「新たな情勢のもと、2009年グリーンウエーブの成功と、食健連20周年を運動の飛躍で迎えよう」―全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の呼びかけにこたえて、秋のグリーンウエーブ行動(「食糧の波」全国いっせい共同行動)が各地でスタートしました。
東 京
「世界食料デー」に呼応
新鮮な野菜配り1時間で285筆
全国食健連は10月16日、東京・新宿駅西口で、食料自給率の向上を求める署名行動を行いました。国連が呼びかけた「世界食料デー」の行動に呼応したもの。
農民連の笹渡義夫事務局長、森吉秀樹・青年部事務局長、国公労連の川村好伸副委員長、新日本婦人の会の玉田恵副会長がマイクを握り、「飢餓人口が10億人を超えたいま、FTA(自由貿易協定)など貿易の自由化を進めるのでなく、国内農業を振興し、食糧を増産する『食糧主権』の確立こそ必要だ」と訴えました。行動参加者は、千葉県産の新鮮な野菜を配りながら、署名に取り組み、1時間あまりで285筆の署名が寄せられました。
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「国内農業を守って自給率の向上を」の訴えに多くの共感が寄せられました=10月16日、新宿駅西口 |
署名した中野区に住む女性(80)は「日本は、食料自給率が低すぎます。農家が苦労して作った野菜が一番。国産のものをできるだけ近所の八百屋から買っています。これからも農家を応援したい」と話していました。
花巻市で「食と農まつり」
いわて食・農ネット
目を引いた“水より安い米”
“イーハトーブの郷(さと)で米を見直そう”をテーマに、10月18日、岩手県花巻市で「食と農まつり」が開催されました。“食べて学んで語ろう”の取り組みを地域から広げようと「いわて食・農・地域を守る県民運動ネットワーク」(いわて食・農ネット)が主催。200人以上が集まりました。
直売コーナーでは、地元を中心に旬の野菜が勢ぞろい。とりわけ目を引いたのは、「水より安いペットボトル入りの米」の販売です。新米ひとめぼれ入りのペットボトル1本が120円という値段に、店頭では「こんなに安いのか!」との声が相次ぎました。
全体会では、教育評論家の三上満さんが「農と宮沢賢治」と題して講演。「農の心を広げよう」という熱い訴えに、大きな拍手があがりました。
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水は137円、米は120円、農家の手取りは91円! |
いわて食・農ネットでは、11月に県内すべての自治体と農協を訪問して、要請行動を行う予定です。
(岩手県農民連 岡田現三)
日本の食料生産守ろう
全農協労連四国地本
高知 商店街3カ所で宣伝・署名
農協に勤める職員で組織する全農協労連四国地方本部(小笠原丈伸委員長)は10月18日、高知市の商店街3カ所で「日本の食料生産を守ろう」とグリーンウエーブの宣伝を行い、署名を集めました。
メンバーはマイクで「みんなの食べる大事な食料を国内の農業でつくりましょう。生産費をまかなう価格保障と所得補償を実現しましょう」と呼びかけ、署名への協力を訴えていました。
署名は、食料自給率の向上やミニマムアクセス米の輸入をやめること、日米FTA・日豪EPAなどこれ以上の自由化交渉をやめることなどを求めるものです。
小笠原委員長は「農家が意欲をもって農業に取り組める環境をつくるため、農協に働く労働者も努力していきたい」と話していました。この行動で、300筆余りの署名が集まりました。
(新聞「農民」2009.11.2付)
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