茨城ふるさと産直ネットワーク
農業青年の交流会
茨城ふるさと産直ネットワーク(茨城農民連加盟)は12月17日、石岡市にあるJAやさとの新規就農研修施設「ゆめファームやさと」で、県内の農業青年を集めた5回目の交流会を開き、各産直センターや農業団体などから31人が参加しました。
みんな有機栽培を真剣に考えている
JAやさとの「ゆめファーム」事業は、新規就農者を研修生として毎年1家族ずつ受け入れ、2年の研修で生産と販売の実務を行います。研修期間中は、1年目に月16万円、2年目には14万円が支給されます。
このうち8万円(2年目は6万円)は県からの助成で、残りの8万円は農協が支出しますが、研修期間中に栽培した野菜の販売代金をいったんJAで預かっておき、研修終了後にJAが出した分の給料を返還してもらいます。JAは、そのほかほ場の提供や農機具の貸し出しを行います。現在は11期目で、卒業生は有機生産者として県内各地で活躍しています。
ほ場見学では、昨年4月に就農したばかりの大前敦司さん(29)、美佐さん(29)のホウレンソウ畑とハウス、就農2年目の鬼塚忠之さん(32)のニンジン、ネギ畑をそれぞれ見て回りました。大前さん夫婦と鬼塚さんは、化学肥料を使わない有機栽培の苦労、ぼかし肥料の効果などについて、質問にも答えながらていねいに説明していました。
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就農1年目の大前さん夫婦のホウレンソウ畑で。「1年目なのによくできている」と評判でした |
後継者のネットワークづくり応援
参加者は、研修施設「ゆめはうす」に場所を移して交流。自己紹介に続き、JAやさとの前島雄一郎さんが、産地の概要とやさと農協の取り組みを報告しました。
その後、有機レタス栽培の報告や新規就農者への質問など、自由に語り合い、参加者同士が理解を深め合いました。
今後、産地や種苗会社の見学、生協との交流を積極的に行うことを確認しました。
鉾田市でナガイモなどを作る箕輪竜さん(鹿行産直センター)は「有機栽培に取り組む農家の生の声を聞けてよかった。JAやさとの取り組みはすばらしいですね」と述べ、坂東市の稲作農家、青木達也さん(茨城農民連青年部)は「若い人が多く、みんな有機栽培を真剣に考えていることがわかり、自分も野菜の栽培をやってみようかという気になりました」と話していました。
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「ゆめはうす」では各地の取り組みを交流しました |
JAやさとの前島さんは「短時間でしたが、農協の取り組みを少しでも理解してもらえたらいいですね。若い農家に、いい発信になったと思います」と語っていました。
茨城ふるさと産直ネットの奥貫定男さんは「生産技術の向上や消費者との連携を通して、農業後継青年のネットワークづくりを応援し、きずなを強めていきたい」と展望しています。
(新聞「農民」2010.1.25付)
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