「農民」記事データベース20100125-909-09

旬の味


 年明け早々の大雪で、日本海側はたいへんだ。しかし「雪は豊作を呼ぶ」と各地で盛んに伝統行事が行われる。そのキーワードは、火と裸▼会津の柳津虚空蔵尊では正月7日、酷寒の夜に裸祭りが行われ、下帯1本の男たちの熱気はすさまじい。川をさかのぼって奪いに来る竜神から宝(ほう)珠(じゅ)を守るために行われる農民の祭りだ▼農民は1000年もの昔から、寸鉄も帯びぬ裸で生きるための宝を守ってきた。その心意気に沸き立つものを身のうちに感じる。今年は、心なしか若者のなかに初老の姿も見えた。新たな力を得ていってほしい▼「ふるさとは遠きにありて想(おも)うもの」ではない。いま、ふるさと(田舎)は疲れた人をいやし、生きる意味を気づかせ、生きる力を与えるところ。世界も日本も新しい予兆にあふれている。パラダイムが変わる激動期の年明けに、冷戦構造時代の残(ざん)骸(がい)、隷属の象徴である米軍基地はいらない。美しい海、ふるさとの山河、そして“魂の原郷”として、その価値を輝かす年にしよう。

(新)

(新聞「農民」2010.1.25付)
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2010年1月

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