「農民」記事データベース20100614-928-04

農民連口蹄疫対策本部
村尻事務局長
想像絶する現状を報告

食健連総会で

関連/口蹄疫義援金/全教、新潟県連から届く


セリ中止で収入絶たれ
外出自粛“自主不登校”
農協・自治体職員不眠不休の埋却…
商店街・観光地ホテルは閑古鳥

 農民連・口蹄疫対策本部の村尻勝信事務局長が、食健連総会で現場の状況を報告しました。その一部を紹介します。

 畜産農家は、セリが全部中止になっているため、収入の道が絶たれています。その日の生活、エサ代の支払いなど、経済的にたいへんな事態に立ちいたっています。

 生活の面では、県知事が「非常事態宣言」を出しました。法的拘束力はありませんが、外出を自粛しています。買い物が不自由になっていて、商店に電話して家の近くまで届けてもらっています。

 いまは学校に通っていますが、被害にあった農家の子どもたち、約20人が“自主不登校”していたそうです。

 自動車などの消毒業務は、24時間体制で農協や自治体の職員が交代であたっています。殺処分した家畜の埋却は、自治体や国から派遣された職員も加わってあたっています。牛は600〜700キロもあって重機でなければ動かせません。牛の足にロープをかけて、それをトラックに載せて埋却地まで運ぶわけです。この作業を朝から晩までやっていると、吐き気をもよおすそうです。殺処分したら3日以内に埋却することになっていますが、雨が降ると作業が中止になって、家畜の腐敗が始まります。作業をしている人たちは、不眠不休でたいへんな苦労をしています。

 地域経済も大きな影響を受けています。第3セクターの食品加工施設では、800人の職員のうち半数が自宅待機です。県内のイベントはすべて中止です。商店街も観光地もホテルも閑古鳥が鳴いています。

 現場は、ほんとうに想像を絶する状況です。私たちは、関係団体が集まって6月6日に「県民ネットワーク」を立ち上げます。宮崎県は被害県ですが、絶対に加害県になってはいけない。口蹄疫をほかの県に広げてはいけないと必死でがんばっています。全国のみなさんのご協力、ご支援をお願いします。


口蹄疫義援金
全教、新潟県連から届く

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義援金を手渡す全日本教職員組合(全教)の中村尚史(ひさし)総務部長(右から2人目)と北村佳久書記長(右端)=6月4日
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「がんばっている農家に届けて下さい」―新潟県連の鈴木亮事務局長(左)から村尻さんに義援金が手渡されました

(新聞「農民」2010.6.14付)

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2010年6月

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