いかそう憲法 なくそう貧困
第55回はたらく女性の中央集会 in 横浜
「いかそう憲法・核も基地もない世界に なくそう貧困 つくろうジェンダー平等の社会を」をメーンスローガンに、第55回はたらく女性の中央集会が11月20・21の両日、横浜市で開かれました。集会には農民連女性部のほか、のべ2100人が参加しました。
1日目の全体会では、ジャーナリストの堤未果さんが「『貧困大国アメリカ』の取材から見える日本のこれから」と題して講演。アメリカでは教育や医療、社会福祉にまで過度に市場主義が持ち込まれた結果、子どもの貧困や女性の労働条件の悪化を招いていることに警鐘を鳴らしました。
 |
全体会で集会アピールを読みあげる群馬県農民連女性部の野口恭子さん |
私たち自身の食卓を見直し
国産食材を使い農業守ろう
料理の実演“簡単でおいしい”と大好評
分科会討論
2日目は分科会。「輸入に頼らない安全・安心な食品を」をテーマにした分科会では、NPO食農研センター事務局長の石井正江さんを助言者に迎え、討論と料理の実演を行いました。
 |
茨城県南農民組合の阿見産直センターと筑波農産センター |
石井さんは、東京都千代田区で安全・安心な国産の食材にこだわったお弁当などを販売する「ワーカーズ フェアビンデン 食と農の談話室」の代表もつとめています。
石井さんは、ちまたで大はやりの250円弁当が安い輸入食材を使って作られていることや、企業が調理を安く請け負う仕組みが発達する一方で、長時間労働や低賃金など労働条件が悪化してきたことを紹介。「私たち自身の食卓を見直すことで、生産者に思いをはせ、自由化や高齢化などいま農業が置かれている苦境も知ってもらいたい」と熱い思いを語り、「ごはんもう一杯運動」で食料自給率を向上させようと呼びかけました。
港湾労働組合の奥村芳明さんは、防毒マスク姿でくん蒸する写真を見せながら、輸入農産物の保管や検疫の様子を紹介。会場から「エーッ!」という悲鳴が上がりました。
生産者の立場から、埼玉県農民連の中島仲子さんと高橋文子さんが、農産物価格が下落している実態を発言し、農民連女性部副部長の高橋マス子さんが「農家だけなく労働者も消費者も貧しくするTPPに反対しましょう」と訴えました。
料理の実演では、野菜を食べる大切さにも触れながら、もやしやキュウリのナムル、ホウレンソウのゴマあえ、蒸し野菜などを石井さんが紹介。「これなら簡単で、おいしい」「さっそく家族に作って食べさせたい」と大好評でした。
家族に作って食べさせたい
参加者の中には「夫が人工透析を受けており、ワタミの配食サービスを考えていたが、今日の話を聞いて、やっぱりやめます」と言う人もいて、「とても勉強になった」という声が数多く上がりました。
(新聞「農民」2010.12.6付)
|