新春ビッグ座談会(下)4氏大いに語る/新春ビッグ座談会(下)
TPP阻止に向け国民共同の大運動を人間回復の場・農村破壊は許さない 高田高田 1993年の米パニックのときです。1度の凶作であんなに米不足になって、外国から米を買い入れたわけです。そのとき、「タイの米を奪わないで」とのタイの子どもの訴えに、お金で食糧を買いあさることがいかにその国の人たちを苦しめているかを思い知らされました。人間本来の生き方そのものが、問われているんじゃないのか。大企業だけが肥え太る社会でいいのか。TPPのたたかいを通じて、食料自給こそ真の国際貢献のあり方だと、日本社会の根本を問うような運動にしていきたいと思っています。
組合員すべてがTPPの学習を白石 菅内閣は6月を節目に結論を出すと言っています。ちょうど春闘のたたかいといっしょです。全労連はどのようなたたかいを展望していますか。大黒 今年は「地域春闘」だ、地域に打って出る春闘にしようと、各地で取り組みが始まっています。菅内閣は声高に「地域主権」を唱え、さも地方自治が拡大するようなイメージを振りまいていますが、むしろ地域崩壊の道を歩んでいくものです。キーワードは、最低賃金、雇用契約、地域経済の再生です。TPPの問題が出てきて、いっそう地域経済の再生がきわだってきました。 いま、「すべての組合員がTPPの学習をしよう、共同を広げていこう」と呼びかけています。また、全労連からJA全中に懇談を申し入れています。前向きに受けてもらえそうです。TPP問題は、「地域春闘」を発展させる意味でも、もうひとつ幅広い課題を私たちに突きつけています。そして、どういう自治体をつくっていくのかという点では、いっせい地方選挙に向け重要な課題になっていきます。
政権交代させた国民の力変らず![]() とりわけ農村での交流は、子どもたちと若いパパが参加しています。日常の労働強化で休日には寝ていたり、家ではなにもしないパパたちが田んぼや畑に入って、子どもたちとドロンコになってるんですね。ママたちは自然とのふれあいの中で、子育てをいっしょにする喜びを感じています。田んぼや畑のもっている役割は、“地球を冷やす”など環境だけでなく、人間回復の場にもなっているんです。 国民の命と健康を守り抜いていくうえでも、農村破壊のTPP参加を許さない国民的な合意の運動にしたいですね。
各分野の闘争励ましたたかう年に 市田市田 一昨年に政権交代がありましたが、その時の自公政治をかえたいという国民のエネルギーは、今も消えていません。しかし、国民が期待をかけた民主党は、この1年半余りで“自民党返り”をしてしまいました。自民党もいやだったけれど民主党にもがっかりした、世の中は変わらないという政治不信に陥っている人々もいます。しかし、自公政権を倒した国民のエネルギーはそんな柔(やわ)なものじゃない。政治とは無関係だと思われていた有名なピアニストや能・狂言師、落語家などのみなさんが、「もうだまってはおられない。文化予算を増やしてほしい」と60万にもおよぶ署名を集めています。 このように、いろんな分野で要求にもとづいて声をあげ、今の政治をまともな方向に変えていかなければと模索し、がんばりはじめている動きが広がっています。2011年はこういう人たちをおおいに激励し、たたかう年にしていきたいと思っています。
「必ず阻止できる」の確信を強めた 白石食や農を考える絶好の機会です![]() 市田 質問を準備するなかで、農民のリアルな実情をつかんでおられる農民連から大きな力添えをいただきました。また新聞「農民」は、俳句の欄などもあって親しみやすくとても読みごたえがあります。農民にとってはなくてはならない新聞ですし、これを見れば農業の問題や農民連の多彩な活動がよくわかります。 政党の中で、綱領に「国の産業政策のなかで、農業を基幹的な生産部門と位置づける」とはっきり掲げているのは日本共産党だけですから、農民連とは兄弟のような関係です。大会の成功といっそうの前進を期待しています。
「地域春闘」盛り上げ地域経済を再生 大黒![]()
たのもしい希望の相手・農民連高田 女性の地位向上をめざして、地域婦人団体連絡協議会(地婦連)など広範な38の団体が集まっている国際婦人年連絡会で、TPPが問題になって「学習しよう」ということになりました。「講師を誰にしようか」と相談した時、新婦人が農民連を推薦したらすんなり決まりました。農民連は新婦人にとってたのもしい希望の相手です。産直の中で「ある地域で若い後継者が10人も育った」と伺って、とてもうれしかった。新婦人も若いお母さんたちが農民連との交流の中で成長しています。未来ある運動として、お互い手を携えてがんばっていきましょう。 白石 TPPに対するたたかいの方向と、必ず阻止できるという確信が明確になったと思います。農民連は、みなさんの期待にこたえ全力でたたかうことをお誓いして、この座談会を閉じたいと思います。 ありがとうございました。 (おわり)
(新聞「農民」2011.1.17付)
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[2011年1月]
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