大豆畑トラスト 
全国交流会
 遺伝子組み換えでない国産大豆づくりを生産者と消費者がともに進める第13回大豆畑トラスト運動全国交流会が2月16日、都内で開かれ、生産者や消費者130人が集い、交流しました。主催は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン。
  
  
 産地や生産者ふやし 
運動を大いに広げよう
 食糧危機や飢餓を救えないGM作物
 2010年は記録的な猛暑のもと、多くの産地で収量減、品質低下となりましたが、新しく参加した1産地を含めて全国40の生産地で、大豆づくりが行われました。
 交流会に先立ち、参加者は、種類が豊富な大豆の手作り料理を囲んで歓談し、空腹を満たしました。 
 詩人のアーサー・ビナードさんが「這(は)っても黒豆」と題して講演。このことわざが「誤っていることがわかっていても自説をまげないこと(人)」という意味であることを紹介し、アメリカの農務長官ビルサック氏が、収量減など問題が多発している点を隠し、「遺伝子組み換え(GM)作物は食糧危機や飢餓を救う」と主張し続けていることを批判しました。さらに「モンサントなど大手バイオテクノロジー企業がGM作物で、世界の食糧支配をねらっている」と告発しました。 
 
  
      | 
   
  
    講演するアーサー・ビナードさん  | 
   
 
 豆腐のシンプルさと純粋さ大切にしたい
 パネルディスカッションでは、都内の豆腐店「大桃豆腐」(豊島区)の大桃伸夫さんが、ここ数年で使用が増えてきた豆腐の凝固剤「乳化にがり」について解説。ふつうの「にがり」(塩化マグネシウム)と違って、「乳化にがり」は、塩化マグネシウムのほかに植物油脂、乳化剤、酸化防止剤といった添加物を含んでいる点を指摘しました。
 また乳化にがりは「塩化マグネシウム含有物(にがり)」という表示だけで済んでしまい、添加物のない健康食品としての豆腐を求める消費者の願いに応えられていない点を批判。「豆腐は大豆とにがりと水だけでできる。原材料・製法のシンプルさと純粋さを大切にしたい」と述べました。 
 食の安全脅かすTPPを跳ね返そう
 キャンペーン代表の天笠啓祐さんは、TPP(環太平洋連携協定)に参加すれば、GM食品や添加物の表示も「貿易障壁」として撤廃を求められることを指摘し、TPPに反対する運動の強化を呼びかけました。
 
  
      | 
   
  
    色とりどりの大豆料理に舌鼓  | 
   
 
 広がるトラスト運動元気な発言相次ぐ
 産地からの報告では、茨城・県南筑波農産センターの小林恭子さんが、耕作放棄地での加工米を使ったせんべいづくり、郊外の団地で好評な移動直売所、まちおこしの一環としての朝市など「トラストを通じた取り組みで夢が広がっている」と紹介しました。
 埼玉農民連春日部支部の佐藤陞(のぼる)さんは、異常気象で全国的には大豆が減収のなか、収穫が1株平均で400莢(さや)だった「黒大豆」の栽培方法を説明し、「今年は60人ぐらいがトラストに参加する見通しです。将来的には黒豆でみそづくりをしたい」と語りました。 
 そのほか、トラスト運動が学校給食や新規就農者による大豆栽培に広がるなど、元気の出る発言が相次ぎました。 
 最後に「気象変動にもめげずにこれからも大豆畑トラスト運動にかかわる人々を増やしましょう」とするアピールを確認しました。 
         (新聞「農民」2011.3.14付) 
 |