旬の味
東日本大震災で亡くなった方々の冥福(めいふく)を毎日祈っている。被災された人たちも、不便な暮らしの中で助け合いながら生きていることが報道されている▼小さな避難所では、住民たちが得意なことを生かして自然と分業ができ、大家族のように暮らす姿がリポートされていた。被災地の状況を知り、多くの人が人間は助け合う存在であることを思い出したと思う▼震災前、人と人との縁は希薄で競争や駆け引きに生き残らねばならない時代が続いてきた。しかし本来、人は助け合って暮らし、善意でつき合い、無償の愛を与える生き方をするものなのだ。仮設住宅の建設や生活基盤の再建は最優先課題であるが、モノだけでなく、心のつながりの再生、家族を失った方々にも新しい日常が再建されることを祈りたい▼心の通い合いは専門家がケアしたり、政治で解決する問題ではない。また被災地だけの話でもなく、一人一人が日々どんな生き方・暮らし方をするか、そしてどんな社会をつくっていくかの延長にあるものだ。 (綿)
(新聞「農民」2011.5.2付)
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[2011年5月]
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