4.26抗議・賠償行動参加者の声
国や東電は農家の苦労わかっていない
古舘敬一さん(福島県葛尾村)
いま会津に避難しています。普段は20、30頭の牛の世話をしています。誘われて東京に来ましたが、請求や交渉は初めてです。農水省や東電は、農家の苦労を理解していないことがわかりました。今日は来てよかったです。
放射能こわいが農業をつづけたい
杉和昌さん(福島県浜通り農民連会長)
30キロ圏内の屋内退避地域で酪農をやっているのですが、農民がこれだけ苦しんでいるのに、東電も政府も対処が遅すぎます。私と両親だけ牧場に戻り、搾乳はストップしていますが、牛はまだ飼っています。今まで築いてきたものが一瞬でなくなり、生活できなくなってしまいました。放射能は目に見えないし、怖いのは当たり前です。でも皆、ゆくゆくは戻って農業をやりたいと思っているんです。生活できるようにしてほしい、それがみんなの思いです。
家族バラバラ酪農だめにした
小曽根正勝さん(浪江町の酪農家)
福島第一原発から25キロメートルの所で、酪農が一瞬でだめになってしまいました。本当に悔しいです。
福島市に避難していて、牧場まで1時間かけて2〜3日に1回、必死の思いで通っていますが、牛もガタガタになって、乳も出さなくなってしまいました。搾乳牛2頭、子牛4頭が死にました。早く元の状態に戻したいと思っても牛をすべて入れ替えなければ、再出発もできなくなってしまいました。
家族もバラバラ。一日も早く家族全員で一緒に暮らせるようにしてほしい。東電だけでなく、原発を進めてきた歴代の自民党政権にも責任があります。
牛はどうなる?先が見えない…
佐久間信次さん(父)、哲次さん(息子・兄)、るり子さん(娘・妹)(葛尾村の酪農家)
信次さん
酪農家は家を空けたら、もう終わりです。2日に1回行ってえさをやっていますが、牛はやせてくるし、もうだめでしょう。葛尾村は計画的避難地域に指定されましたが、牛はどうなるのか…。先が見えません。
哲次さん
父と共同経営しています。4月から会社化して、僕が社長で父が従業員になるはずでした。でも今はこの通り、僕はプー太郎(無職)同然です。東電と国には、なんとしてもきちんと責任をとってもらいたい。
普通のくらし、きれいな福島返して
赤間初江さん(産直センター福島の直売所「産直カフェ」店長)
産直カフェでは、ホウレンソウも、キャベツも、小松菜も、レタスも、出荷停止で棚にも並べられず、棚は空っぽです。本当は今が一番旬のはずなのに…。どうしてこんな目にあわなくてはならないのでしょうか。
わが家もナシ農家で、いま花粉交配で一番大切な時期を迎えています。先祖から受け継いだ果樹園を守ろうとがんばっていますが、買ってもらえるのかわからないまま作業しています。普通の、日常の、きれいな福島を返してほしいです。
福島の農民は何つくればいい
大橋芳啓さん(福島県北農民連会長)
県北地域は、放射性物質の飛散が心配です。福島の農民は何を作ったらいいのか。放射線量の低い所であれば、きちんと検査して出荷できるのか。生産者は消費者に対して加害者になりたくない。行政や東電は、農地と生産物の放射能検査の体制を一刻も早く整えるべきです。私たちもなんとか検査機器を調達したいと、努力しています。
原発事故の収束一刻も早くして
近藤和子さん(須賀川農民連の米・ハウス野菜農家)
須賀川は米の作付け制限はされていませんが、まだ原発事故の収束もしておらず、お米が安全に収穫できるのか、お米が買ってもらえるのか、農家は本当に不安な思いで種まきを始めました。
ハウス大葉も出荷停止になって本当に困りました。取引業者からは「原発が収束したら、また買いますよ」と言われ、どんどん経費が赤字のまま積み上がっています。一刻も早く、原発事故を収束させてほしいです。
社長は福島に来て皆に謝れ
吉沢正己さん(福島県浪江町から牛を1頭連れて来たエム牧場の牧場長)
原発から14キロに牧場があります。300頭を飼育していますが、この間も牛は生まれて増えています。殺処分には同意できません。牛の価値はもうゼロ。東電社長は福島に来て、謝れ!
(新聞「農民」2011.5.23付)
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