損害賠償の学習相談会開く
会員外にも広く呼びかけ論議
関連/農民の声を国会から締め出す比例定数の削減は許さない
福島県北農民連各支部が主催
福島県北農民連の各支部では、5月31日から原発事故による損害賠償学習相談会に取り組んでいます。3万6000枚の案内チラシを新聞に折り込み、6月14日までに4カ所で行われ、参加者総数は90人におよび、そのうち会員外の参加者が33人もいます。
学習相談会では、原子力災害賠償法や紛争審査会の「判定指針」、土壌汚染問題などを学習しています。原発事故が収束しないと賠償されないことや放射性物質は土壌汚染の法律から「除く」となっていること、「第2次指針」が出され風評被害まで対象になってはいるが法的拘束力をもたないことなどを学習すると、参加者から驚きの声が聞かれました。
実務上の注意点として、被害状況報告書への記入方法や資料の保存、写真を撮っておくことなどを説明。質疑では、さくらんぼ生産者から「昨年の10分の1しか注文が来てねぇ」との声。「自分で販売している贈答用果物や市場出荷にともなう注文減・単価減についてどのように計算するのか」などについて、多くの質問が寄せられます。
「大震災が起こった3月11日前にもどせ! 原発事故がなかったら起こりえなかった損害をすべて補償しろ」「原発は安くてクリーンな電力ではない。原発はいらない!」との訴えに、共感が広がっています。会員外の参加者には、「農民連とはどういう団体か」を紹介し、ともに運動に参加しようと呼びかけています。
(福島県北農民連 服部崇)
東京で反対大集会
農民連、全労連などでつくる実行委員会は6月9日、東京・中野区の「なかのZEROホール」で、比例定数削減に反対する大集会を開き、1200人を超える参加者が集まりました。
全労連の柴田真佐子副議長が「衆議院の比例定数を80議席も減らす法案が国会に提出されようとしている。国民の声が国政に届かなくなる法案は絶対に許してはならない」と主催者あいさつしました。
日本共産党の市田忠義書記局長・参院議員が国会情勢を報告し、「民主、自民の大連立の動きは、大政翼賛会と同じ。危険な企てに真正面から立ち向かい、国民の声が届く国会にするよう全力を尽くす」と訴えました。
一橋大学の渡辺治・名誉教授が「大震災後の政治の行方―大連立、比例定数削減がねらうもの」と題して講演。大連立が「TPP(環太平洋連携協定)、消費税引き上げ、沖縄・普天間基地の辺野古への移転など単独政権ではできない懸案事項を突破しようとするものだ」と指摘しました。
さらに比例定数の削減について、「構造改革や日米同盟に反対する政党を国会からなくすことをねらったものだ」と批判しました。
最後に、渡辺氏は「原発なくせ、消費税引き上げ反対、TPP参加反対の三大課題で国民的な運動をつくり出し、改憲問題なども含めて大いに学習を強めよう」と呼びかけました。
各団体がリレートーク。農民連の上山興士さんが壇上から「消費税増税、TPPへの参加の突破口として、比例定数削減がねらわれている。復興への願いを踏みにじる暴挙は許せない」と力強く訴えました。
集会では、「全国各地で学習会を開き、宣伝、署名、集会、国会議員への要請などの取り組みを草の根から強めましょう。国民の共同を大きく広げ、法案の提出を阻止しましょう」とするアピールを採択して閉会しました。
(新聞「農民」2011.6.27付)
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