「農民」記事データベース20110912-988-09

鍬をもち闘う

安田 大介
(福島県農民連郡山市石筵)


一、

山にこぶしの花が咲き
里に桜の花が咲き
庭に水仙の花が咲き
鎮守の森に五穀豊穣の旗がたなびく村祭りの頃
俺は種播きをする
何十年いや何百年くり返してきた仕事
来年もまたやる

一、 田畑を耕すことを止められ
家畜たちと引き離され
村を追われた人たち
海を 大地を 水を 空気を ふるさとを
汚した者たちを決して許さない
種籾の甘酸っぱい香り
乾いた田んぼに水がしみわたるあの一時
蛙が鳴く夕暮れの畦道

一、 海を返せ 大地を返せ ふるさとを返せ
田畑を返せ 人々の営みを返せ
耕すことの喜びを 誇りを 魂を
研ぎすました鍬をもて 鍬(くわ)をもて闘わん

(新聞「農民」2011.9.12付)
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2011年9月

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