旬の味
大震災から5カ月。青年農業者クラブの定例会で配られる「3カ月予報」の隣に、放射性物質調査結果が並んでいることに、違和感を覚えなくなった自分が少し恐ろしい▼その表の、ずらっと並んだ「不検出」の3文字に安どする。けれど、この3文字のためにこの瞬間も東北でたたかっている人がいることを思うと、いたたまれない▼8月25日から県内でも肉牛に対する全頭検査が始まった。キロ当たり250ベクレルの基準値を超えた場合、肉は廃棄、農家には精密測定の結果が出るまで出荷自粛が要請される。精密測定が終わったからといって出荷自粛が解除されるわけではない▼その他の牛たちはどうなるのだろう。こんな事故がなければ、誰かの口に入って喜ばれたであろう肉や野菜、お米、お茶。これまでに廃棄された量はどれほどだろう▼この先、何人の農家がそんな思いをしなければならないのだろう。政府には、電力会社より保安院より経済界より、どうかこの人たちの声を聞いてほしいと心から願う。 (よ)
(新聞「農民」2011.9.12付)
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[2011年9月]
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