浸水倉庫の片付け、ガレキ撤去…
吉川事務局次長 急きょ和歌山県へ
台風12号によって降り続いた記録的な大雨は、和歌山県、奈良県、三重県、兵庫県、北海道など、各地に甚大な被害をもたらしました。農民連本部から吉川利明事務局次長が、急きょ復旧支援のため和歌山県に向かいました。吉川さんのリポートです。
“1人では無理、大助かり、元気もらう”
7日夜、県連役員会に参加し、本部からの見舞金を手渡すとともに、紀ノ川農協の宇田篤弘組合長が6日に現地入りして撮影した写真を見ながら、被災の状況と対策を話し合いました。
県中南部の被害はとりわけ甚大で、紀ノ川農協に団体加盟している「平井の里」(ゆず、ゆず関連加工品)のある古座川町では、水道が完全に止まったままになっており、工場稼動ができない状態です。また、加工場で働いている職員の集落では、一階の天井部分まで浸水するなどの被害が出ています。紀ノ川農協の支所のある日高川町では、5軒の組合員の柑橘(かんきつ)畑が浸水して泥水をかぶった状態になっており、今後の影響が心配されています。また、4軒の組合員で倉庫が流されたり、花(バラ)のハウスが浸水により破損するなどの被害が出ています。高原ピーマンを栽培している田辺市龍神村では、土砂崩れにより連絡がなかなかつかず、“陸の孤島”になっています。
8日朝6時、県連会長の井上雅夫さんと宇田組合長、そして4人の青年が軽トラック2台、ワゴン車1台に分乗して紀ノ川農協を出発し、4時間かけて古座川町に到着。被災した「平井の里」の理事をしている倉岡有美さん宅で、垂る木でふさがれた道路の片付けやガレキの撤去、天井まで水に漬かった倉庫の片付けなど、軽トラック15台分以上のゴミを運び出しました。作業を終えると、お父さんが「大勢で来てもらって助かった。1人ではとても無理で、途中でダメになっていたかもしれない」と感謝していました。
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泥がかぶった道具を運び出す井上会長(右)と宇田組合長(中央)=古座川町 |
帰り際に井上さんが「体に気をつけてがんばれよ」と声をかけると、「みんなに元気もらったんで大丈夫です」との返事があり、みんなが見えなくなるまで両手を振って見送ってくれました。
(新聞「農民」2011.9.19付)
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