「農民」記事データベース20111003-991-02

TPP

“日米同盟の戦略的問題だ”

米大統領の恫喝に野田首相が「早期検討」約束

関連/FTA・TPPに関する国際フォーラム


 9月21日の日米首脳会談後、TPPをめぐる動きが緊迫しています。友好ムードいっぱいだった会談は、記者団が姿を消した途端、雰囲気が一変したといいます。

 オバマ大統領は、わずか30分の会談で「TPPは単なる経済問題ではなく、日米同盟の戦略的な問題だ」「牛肉問題は何年も経過しており、進展が見たい」「普天間問題は結果を出すべき時期に近づいている」と要求を矢継ぎ早に突きつけました。会談というより、“新米”首相に対する恫喝(どうかつ)か審問というべきでしょう。米政府高官はTPPを「中国を国際社会に順応させるための戦略的道具」と位置づけ、「日本の参加の有無で重みが変わる」と述べるなど、TPPがアメリカの対中国・アジア戦略の重要な一翼であることを露骨に表明しています。

 その一方で野田首相を「一緒に仕事をやれる男」と持ち上げ、APEC首脳会議でTPPの大枠合意をめざしていることを説明したうえで「米国が何を望んでいるか分かっているはず」とたたみこんだオバマ大統領に対し、野田首相は「できるだけ早い時期に結論を出したい」と答えました。

 従来の答弁と同じように聞こえますが、こういうやりとりの末の「できるだけ早く」とは、「APECまでにできるだけ早く」の意味にならざるをえません。“ドジョウもおだてれば木に登る”などということを絶対に許してはなりません。


ビア・カンペシーナのアジア代表を迎えて
FTA・TPPに関する国際フォーラム
▼と き 10月15日(土)午前10時〜午後5時
▼ところ 日本青年館国際ホール
     (JR中央線・総武線「千駄ヶ谷」駅から徒歩9分)
▼参加費 3000円
▼主 催 全国食健連・農民連・国際農民組織ビア・カンペシーナ

(新聞「農民」2011.10.3付)
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2011年10月

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