「農民」記事データベース20111031-995-17

旬の味


 秋は様々なイベントが催される。若手農業者仲間と愛知県の市民祭りに出店した。初日はあいにくの雨で人はまばらだったが、それでも立ち寄ってくださったお客さんとのやり取りが楽しい▼直売をして感じるのは、買っていく人の年齢層の高さだ。値段は安く設定しているのに、若い人はほとんど手を出さない。野菜はまだ良い方で、リンゴや洋ナシを買った若い人は一人もいなかった。私たちのような小規模家族経営の農家は、高品質で安心・安全なものを生産できるが、量的にも価格的にも買える階層は限られてしまう▼TPPが通れば、安い農産物が外国から大量に入ってくるから、収入の少ない人も農産物を買えるようになると言う人がいる。でも、それで本当に問題は解決できるのだろうか。世界的に飢餓に苦しむ人が後を絶たないのに、どうしたら、安心・安全な農産物をすべての人に届けることができるのだろうか▼直売で出会う買っていく人の笑顔、売る側の笑顔を守るような政治が今、本当に求められている。

(よ)

(新聞「農民」2011.10.31付)
ライン

2011年10月

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