本の紹介
前田 新 著
孫への伝言 自家用「九条の会」
祖父から2人の孫娘たちへ
伝えたい―憲法前文と9条
このほど、福島・会津農民連の前田新さんが、「孫への伝言―自家用『九条の会』」を上梓しました。
原発事故による放射能汚染は、関係者の懸命の努力にもかかわらず、破壊した原発の収束も汚染された地域の復興への見通しも、まだ何も立っていません。前田さんはこの間、体調をこわして何度か入退院を余儀なくされました。しかし、こうしたなかでも数編の詩や現場からの報告を雑誌『農民文学』や『民主文学』に書いてきました。新聞「農民」にも「見えない恐怖のなかでぼくらは見た」という詩を投稿いただき、この詩は英訳されて世界へと広がっていきました。
前田さんには、大学4年生と高校1年生のお孫さんがいます。2人の孫娘に、祖父として何か言い残しておくことがあるだろうか。孫たちの未来に、自らの膨大な「過去からの伝言」を伝えるのが役目ではないかと思った時に、脳裏に浮かんだのは憲法前文と9条でした。
前田さんは、「原発の存在と憲法9条は相容れない。原発の即時停止と核兵器廃絶の運動は、人類の未来にかかわる緊急の課題として、憲法9条を守る運動の重要な一環となった」と書いています。
そして前田さんの願いは、「孫たちにも憲法9条をかかげて悔いのない人生を送ってほしい」ということ。そして、小学6年生だった時に孫娘が書いた「日本国憲法九条」という1冊と並べてもらうことです。
1937年生まれの前田さんは、地元の青年たちに「これからも小説や詩を書き続けていきたい」と元気に語っています。
▼定価1500円(税込み)
▼SEEDS出版 TEL 024(597)6800
(新聞「農民」2012.4.23付)
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