「農民」記事データベース20120521-1021-01

緊迫 現地からのリポート

大飯原発再稼動許すな!

福井県農民連おおい町議 猿橋  巧(たくみ)さん

関連/引き続き「東日本大震災・原発事故救援復興募金」のお願い

 関西電力・大飯原子力発電所の再稼働が焦点となっています。大飯原発がある福井県おおい町から、再稼働をめぐる情勢をリポートします。


町民だれもが安全に不安

ずさんな工程表で
関電・政府が地元に圧力

 全国の再稼働につながっていく

画像 事は緊急を要しています。なぜなら、大飯原発3号機、4号機の再稼働は全国の原発再稼働につながり、新たな原発の「安全神話」を一人歩きさせることになるからです。

 福島第一原発事故が起こって以降、全国で急速に盛り上がる原発ゼロの運動は、原発が集中立地する福井県「若狭地方」でも例外ではありません。あの福島原発事故が住民に与えた衝撃は、原発と共存共栄することはありえないということを事実で証明したのです。

 それから1年後の3月11日には、敦賀市で1200人以上参加した集会を成功させ、さらに1週間前に急きょ開催を決めた4月22日の緊急集会を、海を隔てて大飯原発が見える小浜市で500人の集会も行いました。

 避難道路の開通10年先では…

 おおい町では、4月26日に開かれた町主催の住民説明会をうけて、28日に「再稼働許すな共同センター」を立ち上げ、全戸訪問の署名・聞き取り活動が5月7日まで行われました。大飯原発が建設されてから45年。おおい町では、町長あての署名活動は非常に困難ですが、聞き取りでは町民の誰もが原発の安全性に不安を訴え、活動に参加した人たちも立地自治体の現実を知ることができました。さらに運動を広げ国民的な世論を高めなければと痛感しています。

 いまの情勢は、町議会、町長の再稼働容認、そして県議会、知事の受け入れ決定を今月のいつ行うのかという緊迫した局面です。関西電力は、政府・原子力安全・保安院の要請を受けて地震・津波対策の中長期工事の「工程表」を提出し、政府は、再稼働を認めるよう町、県に迫っています。

 しかし、いつ起こってもおかしくない地震への対策が2年から5年先に完成するからとか、避難道路にいたっては10年先に開通するから大丈夫という神経が理解できません。さらに、いまだに福島原発事故の原因究明もされていないのに、原発には素人の4人の閣僚の政治判断によって再稼動させるとは、無責任すぎます。

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枝野経産相に抗議する猿橋さん(右端)、その隣は県農民連の上原修副会長(4月14日)

 原発ゼロ社会へともに運動広げ

 これらを見ても、何がなんでも原発の再稼働を進めようとする「原子力村」勢力の暴挙は、明らかです。5月5日には、全国の原発が止まりました。私たちも、電力のムダ使いや再生可能エネルギーのあり方に国民的な運動やかかわりが必要です。その点もしっかり押さえた運動を、立地の町でも消費地の住民も連帯して進めていきたいと思います。

 当面、緊迫したたたかいが続きます。農民連に結集したみなさんとともに運動を広げて、原発ゼロの社会をめざしてともにがんばりましょう。


引き続き
「東日本大震災・原発事故救援復興募金」のお願い
 東日本大震災と福島原発事故から1年余りが過ぎました。しかし今なお、多くの被災者が避難所暮らしを余儀なくされ、原発事故では収束のめどすらたたず、放射能災害が続いています。
 農民連本部は、救援・復興、原発事故対策を全国の力をひとつにして、粘り強くたたかう決意です。これまで寄せていただいた募金へのご協力に感謝申し上げ、重ね重ねのお願いです。
【振込先】ゆうちょ銀行 普通口座10030―61671711 農民連災害対策本部あて(ゆうちょ銀行以外の金融機関から振り込む場合は、店名〇〇八 店番008 普通預金6167171)
 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2012.5.21付)
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2012年5月

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