「農民」記事データベース20120702-1027-02

未来を担う世代のために
“原発との共存ありえない”

福島・南相馬から愛媛に避難、
伊方原発差し止め訴訟に参加
渡部 寛志さん(33)

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  /未来を担う世代のために “原発との共存ありえない”

 福島県南相馬市から愛媛県伊予市に避難して農業を続けている渡部寛志さん(33)。しかし、ここにも40キロ先に四国電力伊方原発があります。渡部さんは伊方原発の運転差し止めを求める訴訟の原告団に加入。原発再稼働の動きに声をあげています。


 5月5日、北海道の泊原発が休止し、日本全国すべての原発が運転を停止しました。「ようやく」という思いでした。しかし、野田首相は再稼働を決めました。その理由は、なんと「国民生活を守るため」だそうです。

 福島第一原発の事故によって、多くの人々がいまだ苦しみの中にあります。その人々の生活を救うこともできない野田首相が、何を言っているのですか。いや、そもそも事故以前から政府にとって原発周辺の民は、「国民」ではなかったのかもしれないとも思いました。

 次は、私の避難先にある伊方原発でしょう。そして次々と動き出すことになるのです。

 しかし、私たち原発被害者は、身をもって気づかされました。原発との共存などありえない、守るべきものは「今を生きる自分たち」ではないということを。今の日本経済と生活水準を守るために、未来の生活が脅かされることなどあってはなりません。

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“いつか福島に連れて帰る”と寛志さん(左端)。4月には長男が生まれました

 私たち農民は、土と強く結びついて生きてきました。土を汚されること、土から引きはがされることの苦しみを最も知らなくてはならない存在です。原発依存という道に戻ろうとしている今の流れに、私たち多くの原発被害者とともに抗(あらが)ってほしいと願っています。「笑顔あふれる明日のために」

(新聞「農民」2012.7.2付)
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2012年7月

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