「農民」記事データベース20120723-1030-01

シイタケ原木伐採者と
丸森町森林組合
(宮城)

損害賠償で東電と合意

 宮城県丸森町にある丸森町森林組合は、東京電力へのシイタケ原木に対する損害賠償請求の取り組みの中で、宮城農民連に協力を求め、7月5日、シイタケ原木の伐採者と一緒に東電と合意書をかわしました。そして丸森町森林組合は、宮城農民連に団体加盟しました。


協力した宮城農民連に団体加盟

画像 宮城県丸森町は福島県との県境にあり、福島第一原発から40キロしか離れていません。相馬市と同様か、それ以上の放射線量が高い地域です。丸森町はまさに町名のごとく森林が多く、町の基幹産業は林業です。

 昨年11月末に宮城県がシイタケ原木のモニタリング調査をしたところ、林野庁の出荷基準をすべて超えていたため、丸森町森林組合では佐藤正敏組合長名で、「シイタケ原木は買い入れしない」旨の通知を12月1日付でシイタケ原木の伐採者(キリコ)に出しました。これによって、森林組合の直営事業であったシイタケ原木の出荷は停止し、東電への損害賠償が不可避になりました。

 宮城農民連は12月13日、丸森町で東電の職員を呼んで損害賠償請求についての説明・相談会を行いました。原木シイタケ農家やキリコの人、直売所に出荷したり米を産直している農家、酪農家などのほかに、森林組合の参事さんも参加。このときには、東電側がシイタケ原木に対する賠償支払いの基準を定めていなかったため、「農民連独自の請求書で損害額を算定し請求する」と東電側に伝えました。1月3日に、この説明・相談会に参加していたキリコの3人が損害賠償を請求し、3月下旬に合意書にサインし賠償金が入金されるという成果をあげました。

画像
緊張しながら合意書にサインするキリコの人とそれを見守る佐藤組合長(右)

 宮城農民連は、4月に森林組合を訪問し、組合長や参事と懇談しました。このなかで、「原発被害への怒りを損害賠償請求で東電に突きつけることから運動が始まり、請求すれば必ず賠償金が支払われる」と説明すると、組合長は「県の森林組合連合会で被害をまとめ請求するということだが、いっこうに進まない。この際、農民連の協力を得て、キリコの人たちと一緒に森林組合単独で賠償請求しよう」と決断。4月10日に森林組合と5人のキリコが請求し、7月5日に約1400万円の賠償金で合意書にサインしました。そして森林組合は、損害賠償請求と原発事故の解決に向けて、宮城農民連に団体加盟してともに運動していくことになりました。

(宮城農民連 鈴木弥弘)

(新聞「農民」2012.7.23付)
ライン

2012年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会