「農民」記事データベース20121203-1048-02

増税やめろ TPP断念 原発ゼロ

TPP反対派を多く国会へ

関連/需給と価格の安定図る運用を


世直し雷大行進

 「人間らしく生き、働くことのできる仕事と生活を」をテーマに、世直し雷大行進が11月18日、東京・浅草で行われました。

 実行委員長で東京商工団体連合会の上原譲副会長が「今日の行進を消費税増税、TPP参加断念、原発ゼロをめざす世直しの世論を広げる契機にしよう」と開会あいさつしました。

 農民連の齋藤敏之常任委員が「TPP参加を許さないたたかいを引き続き強め、総選挙でTPP参加反対の勢力が多数を占める国会をつくろう」と呼びかけました。

 参加者は「各地で広がりつつある運動に連帯・合流し、要求と政策実現のために、引き続き奮闘していくことを固く決意する」との決議を採択しました。

 行進では、ちんどん屋を先頭に、観光客でにぎわう浅草寺周辺を歩きました。カメラや携帯電話で、行進のもようを撮影する観光客や外国人の姿も多くみられ、通行人や地元商店街の人々から激励が寄せられました。


食糧部会
農水省 備蓄米の優先枠拡大を提示

需給と価格の安定図る運用を

 農水省の食料・農業・農村政策審議会食糧部会が11月14日、都内で開かれ、政府備蓄米の数量確保に向けた案が示されました。

 農水省が検討約束

 備蓄米は、11年産、12年産と連続で買入予定数量(20万トン)の半分に満たない7万〜8万トンどまり、適正備蓄水準の100万トンが維持できず、問題になっています。

 農水省案によれば、備蓄米の買入予定数量について、これまでの備蓄米の売渡実績に加えて、道府県から希望数量を聞き、「県別優先枠」として配分します。配分を受けた道府県は、その枠内で他の道府県と競争することなく、入札に参加できるとしています。

 また、今後「『生産数量目標の減少=米の作付けを減らす』と考えるのではなく、非主食用による水稲作付けの維持・拡大を図る必要がある」として、地域で用途ごとの水稲や戦略作物の取り組み方針の作成を求める方向性を示しました。

 農水省は6月、大震災・津波などの被害分と福島の放射能汚染による隔離分の補てん分として4万トンを突然放出。11月にも加工用米の不足を補うため4万トンの備蓄米を販売しました。これらは事実上、米不足を訴える関係業界の要望に応えたものでした。

 部会のなかで、JA全中の冨士重夫専務は、「『棚上げ備蓄は全体の需給と価格の安定に影響を与えない』という方針のはずだが、実際には“代替供給”という名前で、需給に影響を与え、マーケットに関与している。一定の枠のなかで、補完的な調整で需給と価格の安定を図るような備蓄米の運用は、生産者や消費者にとって、また持続的な米生産にとって有効だ」と指摘しました。

 農水省は「すべての事態を想定したルールの設定は難しいが、次回の部会で(備蓄米運用の)案を示したい」と答えました。

 農民連はこのほど発表した「米を守る要求と提案」のなかで、「備蓄米の機能を不作時のためだけに限定せず、過剰時の買い入れや不足時の放出など需給調整の役割も持たせる備蓄政策へ、抜本的な転換を図ること」を求めています。農水省内でもこうした方向で検討せざるをえないところまで、米政策の矛盾が深まっていることを示しています。

 B銘柄米の奨励策を

 一方、全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)理事長の木村良委員からは「生産者は可能な限り価格の高い銘柄に偏り、外食・中食向けに使える安い米が窮屈になっている。輸入米のなかの主食用(SBS)米の枠(現行10万トン)拡大を求める要望もでている。一考してほしい」との要望が出されました。

 炊飯センターなど炊飯事業者の団体、公益社団法人日本炊飯協会はこのほど、「日本の農業を守ろう!――B銘柄米(低価格米)増産にインセンティブ(奨励策)を」と題する提案書を農水省に提出しました。

 このなかで「B銘柄米の需要と生産のアンバランスがコメ不足、価格高騰につながっており、B銘柄米の生産をサポートすることがコメ政策の喫緊の課題」と指摘し、「B銘柄米の生産者に加工用米並みのインセンティブを与え、国産米の消費拡大を図ることを提唱する」とうたっています。

(新聞「農民」2012.12.3付)
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2012年12月

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