「農民」記事データベース20130114-1053-12

旬の味


 この数年、お正月のしめ飾りは自分で作っている。直売所にしめ飾りを出荷している友人が、暮れにしめ飾り作りの講習会を開いてくれるのだ▼友人はできるだけ本物を使いたいと、ワラはもちろんダイダイ・ゆずり葉・ウラジロなども本物を用意してくれる。お飾りにはそれぞれ意味があって、ダイダイには「代々の繁栄」、ゆずり葉には「子孫に繁栄をゆずっていくように」、ウラジロには「裏のない潔白な心」など、昔の人たちの願いが込められているそうだ。できばえは上々で、家族にも評判がいい▼またこの地域では、正月11日には「からすよばり」という行事がある。畑に松の枝を立て、お米をまきながら「から〜す、から〜す」と声をかけ、その日から田畑に出て農作業を始めるという、いわゆる鍬(くわ)入れの行事だ▼最近は農家も忙しく、三が日が過ぎると農作業を始めてしまうので、昔ながらの風習はすたれてしまった。それでも、農作物の豊作と家族の健康や幸せを願う思いは、受け継いでいきたいと思う。

(澄)

(新聞「農民」2013.1.14付)
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2013年1月

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