都市農業の振興について
農民連大阪府連大会での 
松野久美子さんの発言
 農民連大阪府連が開いた大会(2月11日)で、北摂支部協議会の松野久美子さんが行った都市農業の振興についての発言(要旨)を紹介します。
  
  
 都市部での「農のある生活」や 
「農地への関心」の広がり実感
 府連からの提起
  農林水産省、国土交通省の「中間とりまとめ」(2012年8月)に注目しています。そして、この動きを受けた府連は「農のあるまちづくり運動の強化が重要な今年の課題」を改めて提起しています。当初「とりまとめ」を読んで「ほんまかいな」と疑いました。しかし、よく読んでみると、情勢の変化を感じます。読み進むうちにワクワクしてきました。
 私たちは、毎週水曜日の直売所開催、「安全な食糧と農業を守る地域連絡会」を通じて「食料自給率の問題」や「TPP問題」など宣伝・署名、自治体への申し入れなど、地域で食と農に関わる様々な取り組みを進めています。 
 こうした取り組みを通して地域の様々な団体から、身近な所に農民団体があることを知ってもらえるようになり、いろいろな取り組みに声をかけてもらえるようになってきました。 
 たとえば、医療生協などから「健康まつり」や地域の様々なイベントに野菜の出荷依頼が寄せられたり、稲刈りやイモ掘りを一緒にできないかと声がかかったりしています。また、保育園から「菜園ができないか」との問い合わせや、「高齢者のリハビリとレクリエーションのための農地を貸してもらえないか」など様々な要求が広がっています。 
  不動産屋の相談
 大阪市内で2000戸、毎月3億円の家賃を管理している不動産屋さんから相談が持ちこまれてきました。この不動産屋さんは、管理している不動産のオーナーの家族や住人を対象に、現在、大阪市内で2人の専従者を置いて1000坪ほど畑を借りて菜園をはじめています。
 そこで、収穫祭などイベントを行い、好評を博しているそうです。「今度は、能勢に畑を借りたい。そのために、専任の指導者、駐車場やトイレの確保、賃料や管理費が必要になる」など具体的に構想を描いて相談に来られました。 
 「中間とりまとめ」を受けて、この要請を具体化したいと思いました。具体化のために、北摂支部協議会能勢支部の協力が必要なことからみなさんに相談したところ、能勢支部では、「不動産屋さんの考えを直接聞きたい」とのことで早速、懇談会を持ちました。 
 そのなかで、様々な課題が出されましたが、能勢支部として受ける方向で検討が始まっています。この一連の相談の過程で、不動産屋の軒先で野菜直売の提案が出され、府連を通じて野菜を届けてもらい、週1回の「軒先直売所」も始まりました。 
 
  
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    不動産店の前で開く週1回の軒先直売所(大阪市)  | 
   
 
 新日本婦人の会池田支部の会員さんの夫も不動産屋さんをしていますが、「菜園付き住宅」を売りにした、新築の住宅販売計画をしていることもわかりました。この話を聞きながら、都市部で「農のある生活」、農地への予想以上の関心が広がっていることを実感しました。
 
 今回の府連の提起は多くの人から待たれていると思います。 
         (新聞「農民」2013.3.18付) 
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